第11話 逃げなければいけない

 だが予想よりも早くリミットが来てしまった。

「う!!」

 不意に顔が熱くなってきた。

 シンデレラ・パックを【フェイス ON】した時と同じ痛みだ。


「ヤ、ヤバい…😱💦💦💦」

 ボクは顔を押さえた。

「え? 何よ…。どうしたの」

 奈南はワケが解らないようだ。


「ゴメン。ボク、ダメだ! か、帰るよ!」

 顔が火傷するように熱くなった。

 文字通り顔から火が出るようだ。


「え…? どうしてェ~!!」

 納得のいかない奈南は悲鳴にも似た声を上げた。


 ボクは急いで奈南のポルシェのドアを開け放ち、助手席から転がるように降りた。


「何よ~! 待ってアスカ~~ー!!」

 背後で奈南が叫んでいた。

 だが、一刻も早く逃げなければいけない。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る