第6話不安

「お時間いただいて、ありがとうございます…」

「あぁ、話って何?」

「実は…明日、面会予定のリツという人なんですが…」

「うん」

「僕の弟なんです」

「そうなの!?それでかー!」

それではないんです…。

「急に話が来て調べてみたら、すごく有能な人みたいだし、なんでうちに話が来たのかな?って騙されてるのかって、ちょっと疑ってたんだよね。山田くんの弟さんだから来てくれるんだね」

だから、そうではないんです…。

「はい…。よろしくお願いいたします」


はー、やりづらい。

今日、リツが帰ってくるはずだから

とにかく

花さんのことには一切触れないように

釘を刺しておかないと…。

あーやっぱり言わないほうが良かったな。

なんで言っちゃったんだろ…

彼女からLINE

「弟さん、帰ってきたの?」

「今日、帰るはずだよ」

「会える日が分かったら連絡してね」

了解のスタンプを返してため息をつく。

彼女にも言わないようにリツに釘刺そう。



リツが帰って来ない。

一度、実家へ戻った形跡はあるけど

どこかへ出掛けたようだ。

まぁ、久しぶりの日本だし

仲間と飲んでるんだろう。

帰って来ても、話出来るかな?

あー、不安しかない…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る