第37話 密造酒組織その2

オレとおやっさんは、部屋を掘っている最中だった

岩盤を掘ってるのだが、おやっさんの堀る速度が速すぎる

結構ここ場所の岩盤って、固いんだけどな...パワフルな人だ

硬い岩盤など、気にもしていない様子だった。


各部屋の大きさは、4人家族なら余裕で暮らせる部屋の大きさ

になっている、そして各部屋とも綺麗な彫刻が彫られてもいた。

流石は職人のおやっさん!部屋を作るだけではなく、部屋を芸術

の域に高めていた。もう此処は神殿と言っても過言ではない!

地下神殿って何か憧れちゃうよね!


リビングや台所にトイレにも、勿論、綺麗な彫刻が彫られているのだ!

リスガ・リスル・ヤリスの部屋は、可愛いく彫刻を施す辺り、おやっさんの

気遣いが感じ取れる!あの3人娘が見たら喜ぶはずだよ。


廊下とかにも彫り物を施しているんだけど、此処まで徹底するのが職人なのかな?

オレは暗い洞窟に明かりを埋め込む為の穴を掘って行った。でも硬い硬いのである

汗が滝の様に流れ出してくる、でも硬くてそんなに掘れない...何故だ?おやっさんと

オレには、どんな差があるって言うんだ?


そんな事を悩んでいたら、レッチャットさんが照明を街で買ってきてくれていた。

レッチャットさんの説明では、海の眷属との交易品で光る貝をみつけたそうだ。

この光る貝は、深海にしか生息してなくて普通では、出回らない品だそうだが、

此処は港町ガヤルドなのである!海の眷属の交易品でも手に入るのが、この街の

良い所でもあった。この光る貝は1個100ベルクもするそうなんだが、いまいち

この世界の相場が解ってないオレは、100円位の感覚でしかないのである!


1個100ベルクの光る貝を纏め買いしてきたレッチャットさんも凄いな......

お金持ってるんだな!オレなんか数日前にやっと初任給を貰ったばっかりなのに

因みに15万ベルクが初任給でした。


光る貝が足りなくなったら、また買いに行くそうなのだ!どんだけお金持ちなんだ

っと思ってたら、諸経費で買っているそうだった!なるほどね。経費で落とせば

自分の財布は傷まないし、全部の代金はアヴェンタちゃんに支払いが行くのである

素晴らしい!素晴らしいじゃないか!必要な物はガンガン経費で落とすと決めたよ


アヴェンタ様様だよ!この世界には、魔法で作りだした生物が居るのだが、それを

使って作った魔法浄水器なんかも「経費」で、落としましたとも!あぁ~オレには

罪悪感何ってありませんとも、あるのは魔法のカード!買い物する時に見せたら

魔法の装置で読み取って、支払いは翌月に相手に行くって言う便利な物まであるのだった。レッチャットさんが買ってきた物を説明しようではないか!


魔法浄水器x5・価格は聞いてません!


魔法下水処理装置「大型」x5・これも価格は不明!


光る貝x100個・1個100ベルク


排水管・水道管・5mx格15本・価格不明


蒸留装置「お酒用」x3・価格不明!


木の大樽x6 ・ 中樽x10 ・ 小樽x20 ・ 価格不明!


樽専用運搬台車x2・価格不明


以上の物をレッチャットさんが揃えてくれていたのだ。素晴らしい!

もうアレだね.....何かヤバイ物を作ってますって主張してる買い方だよね!

アヴェンタ様も一々明細を細かく見ないだろうから、発覚の恐れは無いはず!

まさか~アヴェンタちゃんが気が付くはずないよ!あははははは!


そんな事を考えていたら、リスルが走ってオレの元まで来たのである!

リスルどうしたのだ?「つきれん様!大変だよ~付いてきて」そう言ったので

何も考えずに、リスルに付いてトンネルの奥に進んだのである。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




{トンネルの奥}


みんな~どうしたんだ?

(つきれん様!大変ですよ!)

<洞窟を掘り当ててしまったの!>

〈ね~大変でしょ?〉


この方角って.....ダンジョンがある方角ではなかった?

<そうだったけ?>

(ん~解んない!)

〈私達が気にする訳ないです!〉


まさか.....ダンジョンに穴を開けてしまったのではないか?そんな予感がしたので

直ぐに、レッチャットさんとおやっさんを呼んで来てもらった。もしもダンジョンに横穴を開けてしまってたら.....リスルドの家がアヴェンタちゃんにバレル!

まずい...非常に不味いのである!緊急事態だ~!頭の中がパニックになってしまった

アヴェンタちゃんにリスルドの家の事が、知られたら家を追い出されるのは間違いないはずだ。


それは非常に不味い!リスルド達が住める場所何ってこの街には数得るしかないのである。その中で場所が一番良いのが此処の公園だった。リスルドの家族もこの場所を気に入っているので、此処を追い出されたくないはずである。


折角ここまで作り上げたのに、今更追い出されるの何って嫌だ!断固、居座るぞ!

オレに忠誠を誓ってくれている家族の為にも、オレが頑張らねばならないのである

そんな事を考えていたら、おやっさんとレッチャットさんが駆けつけてきた。


おやっさん大変だよ!ダンジョンに横穴を開けたかもしれない!

『なんじゃと~!?ちょっと待とれ~中を見てくる!』

「何か変な音が聞こえませんか?」


変な音?どんな?

「ぶ~んって音ですよ」

≪何か聞こえるね?≫


まさか.....魔蟲の羽音?

「魔蟲ってダンジョンのスモール・ビーですかね?」

≪甘いお菓子?≫


おやっさんが走って戻ってきた.....その後を追ってスモール・ビーの大群だぁ!

オレは急いで、武器をアイテムバックから取り出していたら、レッチャットさんと

3姉妹が繋がった洞窟に飛び出したのである、洞窟の中は広くなっているようで、

4人が戦闘しても十分広いようだった。用心棒のレッチャット先生が戦闘をすれば

もう買ったも同然なんだけどね!3姉妹も、かなり強い!スモール・ビーを蹴散らしているのが良く解るよ.....可愛い顔して強いとか.....もうセクハラが出来ないじゃない!うぅぅぅ......


泣いている内に戦闘は終了したみたいだった!そりゃ~4人が鬼の様に強いから瞬殺ではないけども、結果は見えてましたからね!


おやっさん!ここはダンジョンなんですか?

『街のダンジョンとは違うが、ダンジョンなのは間違いないかな?』


どう言うことですか?

『儂にも詳しくは解らんぞ....』



{顔を見合わせて困る2人だった。}



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