第24話 それぞれの思惑


{鋼の神・ポルトフィーノ宮中伯とアートンの場合}


アートン!聞いたか?

「何をですか?」


アヴェンタドールの事だよ。知らないのか?

「あっ!あの事ですか?」


そうじゃよ、あの穀潰ごくつぶしのアヴェンタドールが、

何を血迷ったのか、辺境伯になったんじゃ。

「そうですね?」


これは、裏に何かあるぞ。アートン、御主の知り合いに、

アヴェンタドールの眷属が居たじゃろ?ちょいと探りに行ってはくれんか?

「それは構いませんよ、では、さっそく行って来ましょう。」


頼んだぞ、くれぐれも此方の意図いとさとられないようにな。

「分かってますよ。」


「つきれん。」

『あっ 先輩!お久しぶりです。』

「つきれん!アヴェンタドール様が、辺境伯になったんだって?」

「.............話題になってるよ。」

『へ~そうなんですね(棒)』


(ポルトフィーノ様が、困った時は力を貸すと、つきれんに告げた。)

(これで、こちらの意図を隠しながら、恩を売る事に成功すれば良いのだが?)


「フィーノ様、向こうに恩を売れるように、してきましたよ。」

そうか!ならば、此方から先に動いても、いいかの?


「恩の押し売りですか?」

そうじゃ!駄目かの?


「良く観察しておいて、ここぞって時に、出て行けば間違い無しですよ。」

そうか!ではアートン、後は頼んだぞ。


「フィーノ様、私もそろそろ男爵に...チラッ」

わかった!わかった!男爵に昇進させるから、頼んだぞ。


「はい。」


{どの勢力も、お金の匂いに敏感なようですね。}



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{海の神・ヴェネーノ侯爵とヴェーラ男爵の場合}


毎年の上納金を払うので、精一杯な状況をどうにかしたい。

ヴェーラ何か良い知恵はないかな?それも早急に儲かりそうな話だ。

「また無理を言いますね。」


だってさ~世界の海を領地にしてても、海だよ海!陸地何って少ないんだよ?

島を全部併せても、小さな大陸の魔大陸テルツォ・ミッレニオも小さい。

あ~~~儲け話ないかな?

「あっ!そう言えば、アヴェンタドールが辺境伯になったのは知ってますか?」

「もうアヴェンタドールの事を、様を付けて呼ばないとわるいのですね。」


そうなのか?そこで何か商売できそうかな?なっ?

「それは、分かりませんけど、望みは有るかも知れませんよ。」


{それから数日の事}


秋月蓮と言う商の神・アヴェンタドールの配下が、私の前に現れた。

何でも、交易をしたいから、航路の使用料金を払いたいとの事だ。


これは私が、待ち望んだ儲け話ではないか!この機会を逃がしたら、

次は、何時になるか分からないだろう。多少の妥協をしてでも、

この話をまとめておきたい。何としてでもだ!


結果は、一回の交易手数料の4%でまとまった。

100万ベルクの交易をしたとして、こちらの取り分は、4万ベルク

ま~悪い数字ではないな、運ぶだけ出しな。


そうだ!海の眷属の町の品物を、各地に売り払えば、倍の儲けが見込めるぞ。

逆に考えれば、私の機嫌次第では、交易を止められる。

多少の無理は、押し通せるって事ではないか!


これは大儲け出来そうだな!あはははは!


{此処でも、黒い思惑が交差していますね。}



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{業の神・エストーケ様の場合}


あ~~暇だ!何か大きな物を建てないぞ。

何かないのか、ヨランド?

「何もありませんよ」


チッ....ヨランドは冷たいな。

「ラプターに冷たくしたのは、エスケ様じゃないですか?」


そんな昔の話を持ち出さなくても、良いではないか?

「ほんの20年前の事ですけど?」


もう20年前の事だ、忘れよ!

「嫌です。」


{そんな喧嘩の最中に来客が来た。}


『いや~アヴェンタドール辺境伯だよ。』

辺境伯になられたのですね...チッ


『うむ、領地経営に乗り出したからね。』

ほう!?それは詳しく聞きたいですな!


『ボクの領地に港町を作って欲しいんだよ。』

『城塞都市と砦もね。砦はついでだから。』


いい~凄くいい~大きな建物は、私に任せて欲しい。

作るなら、何でも大きく作りたいしな。


必要経費は全部、辺境伯の方に回して良いのですか?

『ボクが、全部の代金を払うよ。』


腕が鳴りますな~久しぶりの大規模工事だ。

『それとボクの配下に、ラプターがいるんだけど。』


何でだぁぁぁ.....ほげぇ....

「ラプターが、その町に居るのですか?」

『うむ、街で陣頭指揮を任されてる、みたいだね?』


ヨランド!私を蹴っ飛ばすとはぁぁ....げふん...

「是非とも、今回の依頼を受けさせてもらいます。」


こら~~ヨランド! パリン...

『あっ窓から...』

「えっ?何ですか?では準備を進めさせてもらいます。


『うん、お願いするよ。』

「畏まりました。」


(うわ~エストーケ大丈夫かな?此処って3階なんだけどな...)


{エストーケは重症だったけど、1時間で治りました。}



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{技の神・コンセプトの場合}


ふぅ~お茶が美味しいな。な~ステファニー?

「そうですわね~セプト様」


{イチャイチャしてると、外から大きな音が近づいてきている}


バン!


『いや~ボクはアヴェンタドール辺境伯。仕事の依頼できたよ。』


『2人で、抱き合って何してるの?』

「きゃっ~」

これは、大人のスキンシップだよ...あははは...


『へ~~御暑い事ですね~にひひひ』

辺境伯、仕事の依頼とは、どの様な事ですかな?


『あっ 頼みたいのはね、水車・橋・領民の家・集会所とかだね。』

ほう!民の生活に関係してる仕事ですか。


『そうそう。好きでしょ?』

民の暮らしに関係した物を、作るのは大好きですな。


『良かった、なら引き受けてくれるよね?』

勿論ですとも、民の暮らしが良くなる事が、私の望みなのですから。

「セプト様、素敵です♡」


うむ、ステファニー照れるではないか。

「そんなセプト様も可愛いですよ。」


.....


『チッ...』


『必要経費は、ボクが全部を払うからね。』

わかりました。では準備に取り掛かりましょう。


『頼むね~』

《はい》


{イチャ付く2人に、アヴェンタも当てられたのかな?}



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{アヴェンタの場合}


ボクも、イチャイチャできる相手が欲しいよ~~~!

こんなに可愛いどじっ子のボクを、何で他の男神はほっとくんだよ。


も~~配下で、カッコイイ男神をそろえるしかない。


{つきれんの存在を忘れていませんか?}


つきれん?だれそれ?フツメンに用はない...キリッ!


{ハックシュン}


そうだ!私設秘書の子を二人程雇ってハーレムを作れば.....うふふふふ


あはははははははは


ボクの未来は、超あかるいよね~~~!



{つきれんの運命はいかに?解雇とかあるのかな?}

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