あの子はサマナー!
ナメクジ次郎
第1話 実はあの子は……
春、それは出会いの季節。
新たな環境に身を置く人も居れば、そうでない人も居る。それでも否応なしに新しい友好関係や新しいステージに挑まなければならないものだ。
だからと言って、今目の前に広がる異様な光景は、新しい環境として受け入れていいものなのだろうか。
「あー! そっち! そっちに逃げた! 追いかけて!」
そうやって騒がしくしているのは、淡い色の金髪をツインテールに纏めた、一見すると中学一年生くらいにも見える女の子。
チカちゃん……もとい雨崎千夏、僕の幼馴染だ。
「ボーっとしてないでスバルも追いかけてよ! 家の外に出ちゃったらご近所中に大迷惑よ!」
「ならなんでそんなの呼んじゃったの!?」
「だ、だって簡単に召喚できる悪魔だって本に書いてあったんだもん!」
悪魔、そう、悪魔だ。
アニメとか、漫画とか、ゲームに登場するアレだ。
そして彼女はそれを召喚したのだ、しかも僕の目の前で。
あまりにも非現実的な話だし、中学二年生が授業中に考えた妄想だと思われるかもしれない、けれど現に今目の前で膝下くらいの大きさをしたメットを被った獣っぽい人が家の中を縦横無尽に暴れている。
「あっ電子レンジの中に入った! んもー! どうやったら出るの? やっぱガソリン? ガソリンしかないの?」
「いやそれは大惨事になるでしょ絶対……」
「だったらスバルも何かいい知恵出してよー!」
「自分で出した悪魔なんだから自分で責任持とうよ!?」
どうしてこんなことになったのか、事態は数時間前に遡る……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます