３存在するものは事物ではなく事実である

A高校の生徒は賢い生徒が多い。

特に２年１組のリョウ。彼は賢い。

賢い人間というものは、その振る舞いや話し方を見ればそれとわかるものだ。

賢いか否かを分ける一つの基準は、「視点」の数だろう。

一つの視点に囚われず、複数の立場から物事を見る。

そういう視点の転換ができる人間は、意外と多くない。

いや、本当に大事なのは、その視点を脱すること、いわば「脱視点」なのだが———

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