第9話 巨乳な悪魔と天使が部屋に入り込むってどんなハーレムプレイですか!?
この天界が守っているものは天界自身ではない、天国なのだ。
そしてその天国は本当は俺自体が行くべき場所であったが、
そこを護るにはあまりにも手薄という事で俺や誠のような人間自身の手で天国を護っているのであった。
しかしその天国が潰れるのも時間の問題である。
俺がうつ伏せになった状態の下にいるアーモンドが他の悪魔達を呼べば最後、
この天界が生存する確率は極めてゼロに等しいとの事なのだ。
コンコンッ。
ドアが叩かれる音がした、他の天使か?
だとしたら今この状態を見られるのは非常にまずいのだが……!?
「失礼すっるよ~時和くん~」
「あ~ダメダメダメッ!!! 勝手に入って来ちゃだめえ!!!」
「そ、それもそうだったねごめんね時和くん……」
顔を赤らめながら照れているマスティマも中々可愛い、
ってそんな事言ってる場合じゃねー!!!
あの赤らめた顔は俺とアーモンドが良からぬ事を目撃した純粋な乙女の顔である、
こんな時でも淫らな事をした変態野郎というレッテルを俺は一生貼られるのだ。
完璧に終わった……。
「でも何でそんな驚いているのかな? 別に着替えている様子でもなさそうだし」
「へ……?」
よくよくベッドを見るとアーモンドの姿はそこに無かった。
さてはあのノックと同時に姿を消したのか、素早い対応だが……ってえええええ!?
ズボンにやたらめったら感触があると思ったらチャックが勝手に開いた、
いや勝手に開いたのではなくアーモンドの仕業に決まっているのだ。
「どうしたの時和くん? そんな汗かいてもしかして気分でも悪い?」
「いや、俺はなんでもないから……それじゃあまた夜にな……」
「駄目だよ、ちゃんと気分が悪い時は僕に言わなきゃ」
一歩ずつ歩いて近づいてくるマスティマだった、
アーモンドが透明とはいえこれは非常にまずい状況なのでは……ていうかそもそも何がまずいんだ?
「うーん熱はないみたいだね」
「あわわわわ……」
右手で俺のでこに手の平を当て自分のでこと比べるマスティマ、
そもそも天使のお前と人間の俺とで対比になるのかそれは。
「じゃあ僕の治癒ヒーリングスキルで今すぐ回復させるからね……ってうわっ!?」
「ふぎゃあっ!?」
何かと思えばアーモンドがマスティマのつま先辺りを蹴ったのか、
それでバランスが崩れたようだ。
マスティマは崩れるように胸から俺の顔を押しつぶし、全体重がのしかかる。
「っち」
っちって聞こえたんですけど!?
何てことをしてくれてんだアーモンドの奴は。
「いててて……大丈夫? 時和くん」
「はっはい……」
特に恥じらう様子もなかったマスティマと巨大な柔らかい膨らんだ物の感触を二回も味わい、
ご満悦状態に陥ってたが、今度は殺気が俺の方に飛びかかっていた。
これじゃあ俺が天使につくか悪魔につくかの前に殺されてもおかしくないだろう。
「時和くんはちゃんと寝てて、僕が完治したっていうまでは絶対に動いちゃ駄目だからね」
「は……はい……」
何故かマスティマの胸に顔が密着したまま、
それに気付いているのか気づいていないか分からない方へとマスティマは向いていたが、
透明の姿になってるアーモンドも何故か胸だけを俺の後頭部にめがけて押し付けていた。
忘れてはならんのがこのアーモンドの身体自体は本人のものじゃないって事だ、
もし彼女の脳が今現在も回っているオチでした~というのなら俺は天国の方でも訴えられてお終いだろう。
なんやかんやで10分が経った、特に痛みは無かったのだがマスティマは無意味にも治癒行為を続け、
満足がいったのか手を止める事にしたようだ。
「それじゃあそろそろ僕は行くね! 夜までゆっくりしてて!」
「あ、ああ、ありがとな」
そう言いマスティマは出て行った、彼女が何の目的で来たのか、何がしたかったのかは不明だが、
本当に俺の事を心配しているようなあの目に関しては本物だったように思えた。
「っふん、馬鹿ね」
透明な姿から本来の姿に戻したのはアーモンドだ、
何故か元に戻った状態でも後頭部には彼女の胸が張り付いたままである。
「いくら治療しても無駄なのによくするわ」
「さっきから馬鹿とか無駄だとかなんのことだ?」
「そんな事も分からないの? バエルって本当鈍感ね、あなたに悪魔の能力があると思ってるから自分の能力でそれを消せないか試していたのよ」
「っそ、それは本当なのか……?」
彼女は俺の悪魔の力に怯えながらも本来の人間である俺自身を信じているという事なのだろうか。
夜になるまではあっという間だ、俺はマスティマがこの部屋に来た事によって決意が変わった。
自分と今まで関わってきた人間はこの天界だけじゃなく、現実世界にいた皆も含むのだ。
先に死んでいった両親や死んだ友達がいる天国を護るためにも選択は一つしか無い筈である。
俺は決めた、天界を、天使たちを護るために戦うしかない。
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