アースブレイク 遺伝種によって生み出されるモンスター

コルフーニャ

第1話 侵略する人間達

―――二一〇〇年――――


「皆の者、貴様らは武器を使いこなし、10年もの修行を終え立派な兵士へとなった。我々の命めいに服従し、その命をかけてお前らの力を人間共に味わわせてやるのだ!」




これに成功すれば俺の身分も上がるチャンスだ。


いや……これが最後の戦争になるのかもしれない、この戦争に勝って皆でムカトロン惑星に帰るのだ…。




「全員で地球人を降伏させるのだ!!!」




こいつらは、感情任せに人間を殺そうとする連中だ。


だが俺は違う、俺はシャルリック博士の手となり足となり、働き続けるために生まれたのだ。


例え何が犠牲になろうと。




―――二〇四五年――― 


ムカトロン惑星のシャルリック博士は、惑星移転装置シャルリック一号、


という惑星本体を違う惑星の近くまで移動するという大発明をしたのだった。


ムカトロン星人は年が経ってゆくたびに次々と進歩し、ついには自分達の星の近くにある地球という惑星を発見し、地球人の正体を観測してゆくのだった。。




---二〇四五年---


地球人を観測し続けてからしばらくが経った頃、どうやら地球人は平和な生活を日々送る良質な惑星である事を認識。




「ほっほっほ、どうやら地球人は良心な心を持つだけではなく、知的かつ発想豊かな者が多いようですなーキルフェーズ隊長」


「それは一部の人間だけですよ、シャルリック博士」


「ふむ~だが、きっと彼ら側も彼ら側で我々の惑星を発見しているのであれば興味があるんじゃなかろうか、ほっほっほ、もし地球人とムカトロン星人が友好的になれば面白い世界が作れるかもしれん」


「フフッ、それも悪くありませんね、実に博士らしいですよ」




数か月が経った頃、


シャルリック博士は天地をひっくり返す水準の大発明をしたのであった。




「皆のもの!!! ついに出来たぞ! これぞ我が最高傑作といっても良い作品じゃ!!!」




ご機嫌なシャルリック博士が皆を呼び、作り上げた作品は皆に知れたのであった。




「また何か作られたのですか!? シャルリック博士。」




シャルリック博士は返事を聞くと、満面の笑みを作り上げビンに入った種を取りだした。




「ふふふっ、聞いて驚け! これぞ我が最高傑作!遺伝種じゃ!」




キルフェーズ隊長はきょとんとした顔でたずねた。




「はぁー遺伝種ですか?それはどういう種なんです?」




シャルリック博士は自慢気な顔でキルフェーズ隊長に言った。




「こいつに触って土に埋めれば、自分の遺伝と種とが合成し、10分の1の全能力を持った小生物が産まれる、これをどう作ったかは秘密じゃがな。」




キルフェーズ隊長は驚いた顔でたずねた。




「そいつは凄いですね、では私がその種を触って埋めたら戦闘能力も10分の1になるのですか?」




シャルリック博士は悲しそうな顔で言った。




「残念ながらそうなるのじゃ、だが1匹1匹にそれぞれ感情があるのでな、環境によって性格などはばらけるのかもしれん。」


「ほぉー!そいつは凄い、どれ、私も埋めさせてもらいましょうか。」




その後、遺伝種はすべてのムカトロン星人に渡り、次々と遺伝種が埋められたのであった。




そしてそんなある日の事だった。




「おーい!小さいロケットだ! 小さいロケットがこの惑星に向かってくるぞ!」


「小さいロケットだ……?大丈夫かよそれ……」




惑星の住民が次々と不安そうな顔をしていると、それはシャルリック博士の耳にも伝えられるのであった。




「聞きましたか?シャルリック博士。」


「おう、聞こえとるわい、地球人が来たのじゃな。」






キルフェーズ隊長とシャルリック博士は地球人の元へと向かった、




シューーーーッ!!ドンーーーーーッ!!


ロケットがムカトロン惑星に衝突し、そこに出てきたのは鎧を被ったムカトロン星人の3倍でかい地球人だった。


姿形は観測し続けていたので認識はしていたが、こんなでかいとは思わなかったシャルリック博士は少々びびってしまうのだった。




「ふぅ・・・ここがムカトロン惑星か。」




そこから出てきたのは鎧と銃を装着した6人の地球人であった。




「地球人の皆さま初めまして、我々はムカトロン惑星のリーダーシャルリック博士と申す、ところで今日は何をしにここへ?」




地球人はくすくすと笑いながら答えた。




「これはこれは、心良い歓迎ご迎えありがとうございます、それでは、汚い異星人にはこの宇宙から出ていってもらいましょうか、殺れ」


「博士!!!」




ドドドドドドドドドドドドドッ!!!




指令と共に地球人が打った銃弾は博士がとっさに隠れた鉄壁に当たり跳ね返った。




「博士ここで待ってて下さい、私があいつらを倒してきます!」


「し、しかしキルフェーズ、奴らはあんな強力な兵器を持っている、素手で最強じゃからといい、奴らに勝てるのか?」


「ここで負けたら俺達ムカトロン星人は、終わりだ、せめてあなただけでも逃げて下さい。」




シャルリック博士は走った、どの地球人にもばれないように。




「このキルフェーズ様が貴様らの命一人と生かしゃあしないぞ、覚悟しろゴミ共!」




地球人は笑っていた、武器も持たない宇宙人共に抵抗の予知はないからだ。




「くらえ!地球人てめえらの首を吹っ飛ばしてやる!」




ドンッッッ!!!!!


キルフェーズの攻撃が地球人の頭に届く前に、地球人が放った銃弾がキルフェーズの体を貫く。




「っへ雑魚が、おいクルーザー、お前の言う通りこいつらは武器も何も持ってないぜ」


「当然だ、武器を持っているのならこんな小部隊でここに来る訳もあるまい、全員俺についてこい、この雑魚共を抹殺しここを我々の拠点地とする。」




その頃シャルリック博士は、ムカトロン星人の広場へと着いたのであった。




「皆のもの、はぁはぁ、地球人がせめてきた、奴らはわしらを一瞬で仕留めれる力を持っている、相手は8人しかいない、戦える者は今すぐ戦闘準備を! それ以外の者は今すぐ避難を!」




ムカトロン星人の兵士達はクルーザーと接触していた。




「地球人め! 我らの農作物を荒らしよって、それに仲間まで……絶対に許さぬ、生きて帰れると思うなよ!」


「おいクルーザーお前の言うとおりだ、ムカトロン星人共がここに来たはいいが、数が多すぎるぞ。」


「大丈夫、全て計画通りだ。」




リーダーのクルーザーが右ポケットから出したのはスイッチであった。


カチッ!  


クルーザーがスイッチを押した途端、ムカトロン星人の兵士達の足元が光り、一瞬で全員消え飛ぶほどの大爆発が起こるのであった。


爆発で吹き飛んだムカトロン星人は地面にうつ伏せになったままピクリとも動かなかった。




「お前の言うとおり1匹残らずしんじまったぞ、やっぱこういう異星人共との戦闘ではクルーザーに全てを任せるべきだな」


「次はここから真っ直ぐに進んで行くぞ、居場所を教えてくれんばかりに多くの足跡が残ってやがる、この先に間違いなく奴らが集まっている広場なんかがある筈だ」




シャルリック博士は、その様子を岩の陰からこっそり覗いていた。




「大変じゃ強すぎる、20万の兵が一瞬で。」




シャルリック博士は圧倒的なパワーを目の当たりにして、指一つ動かすことができなかった。




「クルーザー、街にはついたが、ムカトロン星人が1匹残っちゃいねえ」


「計算通りだ、兵士が来たということは住民は避難したに違いない、いいかお前ら、足跡を隅々まで探せ!」




クルーザーの掛け声と共に、地球人はムカトロン星人の足跡を探すのであった。


シャルリック博士は震えながらも、クルーザー達を追いかけていた。


「住民が避難したのか、これで大丈夫かのう」




しかしクルーザー達は一瞬にして住民立が逃げた足跡を見つけ出し、その足跡をたどりムカトロン星人のいる場所に向かってゆくのであった。


心配になりシャルリック博士も隠密にクルーザー達についていく事にした。




「おいおい、周りに火の海ができてるぞ、足跡から見るにこの奥の洞窟に入ってやがるのか。」


「おいそこのお前、ロケットランチャーをこの洞窟の中に放て」




クルーザーに命令された地球人が、洞窟に向けロケットランチャーを撃ち続けた。




「よし、もういい、ここまですれば奴らも全滅したに違いない」


「まだ他の場所にムカトロン星人がいるんじゃないか?」




クルーザーは調べつくしたデータを仲間に伝えた。




「あいつらが住んでる街は一つだけだ、他に生き残りがいるとは思えない、さて俺達もボスに報告しなければいけないんだ、全員急いで帰るぞ、飯と酒くらいは奢ってやるから今夜は俺に付き合え」


「流石クルーザー! へへ、やっぱお前の部下につけて良かったぜ、退屈しないぜ」




シャルリック博士は自分以外のムカトロン星人が絶滅したのを恐れ、クルーザーを追う気力すら残っていなかった。




「全員ロケットに乗りこめ、今すぐ出発するぞ。」




ロケットに乗ろうとしたが下を見ると遺伝種と書いてある種が落ちていたのであった。




「なんだこの種は、ムカトロン星人が埋めそこなったのか、まあいい代わりに俺が埋めてやろうではないか」




クルーザーは遺伝種を埋めた後、ロケットに乗り込んで地球へと帰ったのであった。


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