どうでもいい
やべー。ライター持ってくんの忘れた。どーしよ。コンビニ遠いし戻るのだるいし。喫煙所誰かいないかな。いたら借りよう。いなかったら誰か来るまで待っちゃお。てかもういっそ帰ろうかな。
私は見た目は完全にギャル系。女子大生とかいう類のかわいい派手じゃなくてただのギャル。一部からは怖いとまで言われて悪い噂も後を断たない。でもそんなの気にしていられない。じぶんを表現することの何が悪いの?って感じ。ていうか、そんなに他人のことばっか気にしてて疲れないの?友達は多いよ。男女問わず。でも皆適当だから集まるのも適当。解散も適当。なんて自由なんだろう。ストレスなんて感じない。でも、いつまでこうしていられるのか不安になるときはある。今はまだ20代でカラコンにつけまつげ、ショーパンにオフショルトップス。ネイルだって武器みたいだし。髪なんか何回ブリーチしたっけってレベル。でもこれ、30代になっても続けられるの?続けてる人はいるだろうけど、それってただの若作りじゃん。若作りって響き、嫌だな。
あ!誰か来た。電子タバコ愛用者ではありませんように。
「すみません。ライター貸してくれませんか。」
「いいですよ。」
「ありがとうございます。」
助かったー。それにしてもこの人、すごい目で見てきたな。どうせビッチなんだろうなとか思って心の中で馬鹿にしてるんだろうな。あながち間違ってもないけど。
「ありがとうございます。」
なんか腹立つから目しっかり合わせて返してやった。でも相手はもう私の事なんて興味ないかの様に目を合わせることはなかった。
20歳の今ですらいい歳してそんな格好するななんて言われることがある。そんな格好って言われても、私からしたら白いブラウスに茶色のジャケット。膝丈のふわっとしたスカートにパンプスなんていうありきたりなファッションをしている方が「そんな格好」だと思うよ。制服かよって思うくらいみんな一緒。まだ私の服の方が被らないでしょ。個性を主張して何が悪いの。20代の肌を露出してそれを武器にして何が悪いの。無個性になるのが普通だとするなら私はまだ個性的でありたい。それに、個性的だから周りから浮いたとしても少数の理解者がいるならそれでいい。皆で歩幅を合わせて歩いているような集団なんてどうでもいい。私は私を理解してくれる人と一緒にいたい。もしいないなら一人でもいい。だからせめて時間だけはもう少しゆっくり流れて欲しい。私が怖いのは年齢によって自分の個性が無くなってしまうことだけ。
さ、吸い終わったし授業はだるいし荷物取り行ってもう帰ろ。
なんて思って喫煙所を後に歩いてると目の前からスーツの女の子がしかめっ面でスマホを見ながら歩いてきた。あ、ぶつかりそう。と思ったけど私が避けるのは違くね?とか思ったせいで肩がぶつかった。
「ちっ。」
え、いやいや。なんでそっちが舌打ちするわけ?どう見ても非があるのはそっちでしょ。嫌な気分になったなぁ。ほんと早く帰ろ。
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