第9話 生態レポート【エルフ種】
エルフという種族は厳密には存在しない。山の民として存在していた種族を便宜上エルフと呼称している。地球では温厚な種族にして強力な魔法を操る美男美女として描かれやすいが実際は魔法を操る事ができない種族である。あと美人ではあるが女性の胸が小さい
これには面白い考察がある。彼らの住む森は大地に魔力を含んでいる事が多く、必然植物もまた多くの魔力を含む。それを動物が食べそれを更に上位種の獣が食べ、最終捕食者であるエルフが食べ蓄える。つまり食物連鎖によって魔力の循環を行っているのである。これは東洋における蟲毒のような形式に近い。この事から彼らは魔術を使えないにも関わらず非常に高い魔力適性を持つのである。
また美形種族であるがこれは人間の価値観での「目鼻立ちがしっかりとした種族」であると言えるのではないか。肌色が白く目鼻立ちがしっかりとした顔立ちの彫りが深い種族であるという意味である。これは彼らが森における狩猟民族である事に起因する。
ぱっちりと瞳が大きければその分光源を集める事ができるので夜目が利く。顔の彫りが深い方が瞳に紫外線が集まりにくく日中における瞳の疲労度を軽減する。疲労が少ない方がより長時間狩りが行えるだろう。つまり彼らの価値観で言う所の優れているという事になるのだ。
要は彫りが深く瞳が優れた男の方が狩りに長けておりより優れた存在であるという種の選択。ありていに言えば女性にモテたという事だ。森が閉鎖的な事もあり優勢遺伝子が何代も重なって美形の一族になったと思われる。ブサイクな遺伝子が長い歴史で淘汰されていったと言うと何とも悲しく聞こえるが。
肌の色が白いのは森林は日光を遮るため日に焼けにくいから。胸が小さいのはその方が弓を射る際邪魔にならない為、胸が小さい女性の方が好まれやすかったからだろう。(非常に素晴らしい文化であると私は声を大にして言いたい)
エルフは魔法にたけている印象があるがこれも間違ってはいない。彼らは感知魔法に優れているのだ。同じ森にいるだけで動物がどこにいるのか植物の状態はどうなのかが理解できてしまうらしい。
これが自分の肉体の強化を行っているのか新たな感知機能を取得しているのか。それとも全く別の異能なのかは現在検証中。
この能力を彼らは『自然の声を聴く』と表現している。この様子が人間から見たらあたかも植物と実際に会話をしているかのように見えた為、『魔法を操る種族』『自然を愛する民族』といった認識をされ始めたのが原因でないかと思われる。
エルフ族の戦闘能力に関しても考察。彼らは狩猟においては主に弓矢を使用する。これは地上に降りて剣で戦うよりも木の上から弓矢や投石をして一方的に獲物を倒す事が出来るという彼らの選択であるのだろう。
単独では戦闘に長けた種族とは言えないがこと森林のゲリラ戦においては右に出るものはいないだろう。意外な一面として彼らは毒のエキスパートでもある。毒草や薬草の知識もまた非常に豊富。
エルフは食事として肉や魚も食べる。が、やはり主食は水と植物であるようだ。彼らは「ヌングル」と呼ばれる作物を育てこれを主食とする。この作物は彼らの言語で「大地の贈り物」を意味するらしい。
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