即興15分まとめ

oyo

俺と寒空

昼間、外を見るとコンクリートから陽炎が立ち上っていた。仕事の始まる時間ギリギリまで料理していた俺は半袖のシャツにジーンズをひっかけ、財布とスマホと最低限のものを小さいかばんにいれてバイトへ向かった。

今日のシフトは夜まで入っていたから空調の効いた店内でほぼ一日を過ごした。まあ、少しは動くし汗もかく。しかも、悪い汗だ。さらりと乾かずまとわりついて気持ち悪い。

まあ、仕事終わったから帰らなくてはな。汗を流したいが風呂を洗うの面倒だし今日はシャワーにしようかな。

店を出たらかなり外が冷えていた。俺は家を出る前に冷蔵庫にいれたビールのことを思い出して、ビールより冷えた体になっては美味く味わえないなと思った。こんな日に限って熱帯夜ではなくほとんどの人にとって過ごしやすい、むしろ半袖の俺にとっては肌寒いなんてな。半袖で来るにしても何か上着でも持ってくれば良かった。そういえば冬は俺は厚着をしすぎて汗をかいて風邪を引いたりした。何でも上手くやることができないんだな、今日のバイト中は先輩に怒られることが多くて汗をかいたと言っても冷や汗がほとんどだ。こんな人生は嫌だと思っても心臓は動き続けてるし喉が乾いたら水を飲んでしまう。今日の晩のためにビールとつまみの準備はしてきたし、明日の、これからの俺のために働いて、生きる予定を詰め込んでいる。さっきだって風呂はいるとか直近の予定を決めた。首の辺りがなんだかいつもより冷たい風が通ったけど、汗のせいだと思いたい。

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