異世界に転生したらグロースとミニマムしか使えない件

異世界サボテン

第1章 巨大な異世界

第1話 プロローグ




 私、遠坂玲奈とうさかれいな18歳。




 身長175cmでちょっと背が高いところ以外はどこにでもいる普通の女子高生。



 そう……普通の女子高生のはず……。

 女子にラブレター貰ったり、男子に俺を罵ってくれ、俺を踏み潰してくれ、とか言われること以外はたぶん普通のはず……。

 脚が長くてスタイルは自分でもいいと思っているし、顔も第3者から見たら悪くはないんじゃないかな?ただ、髪はショートカットで、普段着もスポーツウェアだから遠くから見られると男の子に間違われる時もあった。


 まあ、女子にラブレター貰うのは、ちょっとアブノーマルだけど、まだそういう話聞くし、これはまだ普通の範疇かな……。そうよね?


 でも、男子の私に対する言い草は正直ないわよね……。私をなにかの女王様のように思っているんじゃないの?絶対言ってきた男子は変な趣味を持っているとしか思えない。


 そりゃ、私はSかMかと言われたら…………って何言わせんのよ。とにかく、外見だけで人を判断するのはやめて欲しいと思っている。


 私はどちらかと言うとインドアよりアウトドア派だ。勉強は嫌いじゃないけど、スポーツの方が好きだ。高校では陸上部に所属して、毎日のように走って汗を流していた。髪を短くしているのも運動の邪魔にならないようにするためだった。


 ちょっと変なイベントはあったけど、陸上をやっていたおかげで、推薦で大学進学も決まったし、おおよそ順風満帆な高校生活を送って来たといえるだろう。もっとも、ノーマルな恋愛だけには縁がなかったけどね……。


 しかし、今は18歳の高校生という肩書は正確ではない。大学に進学したとかそういう意味ではない。






 なぜなら……






 今私は見知らぬ異世界にいる。目の前に信じられないくらい大きな男の人が私を見ている。私の10倍にも相当する体格の大きさだった。目が覚めたらこんな状態だった。正直混乱しているけど、ここはどこなのか見当は付いている。そして、原因は間違いなくあれのせいだ……。




 話は少し前に遡る……



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