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「お名前は結月君って言うんだね」

「うんっ!」

 てっきりユヅキちゃんかと思ったけど、確かに男の子でも付けられる名前ではある・・・あれ?

 そこでふと気付く。この名前、他でも見たことあるぞ?

「もしかして先月、スーパーの川柳で特選に選ばれていなかった?」

「え、お兄ちゃん知っているの?」

 確かそう。女の子なのにえらく渋い川柳を読むなって思って見ていたんだ。しかも頷く上手さ。

「そうだよ!」

「へぇ、多才なんだね」

「たさい?」

「いろんな才能を持っているんだなって」

「そんなことないよ」

 と言いつつも照れたように身体を捩る。やっぱりまだ小学生だね。なんかちょっと安心。

「あ、でもね駅にも鳥の絵を飾ってもらったし、四月には市民の集い? で作文も読んだんだよ」

「へぇ、凄いね」

「あとねあとね、ボク料理も出来るんだ! いつもママに褒めてもらえるの」

「そうなんだ、結月君はお手伝いも出来るんだ、偉いね」

「ふふふ、ママが教えてくれるから」

 ママが教えてくれるから絵も文章も料理も出来るんだと彼は言う。それは教えるママが凄いのか、彼の吸収からの昇華が凄いのか。どちらにせよ二人ともセンスが良いと言うことは分かる。

 俺にもこんな子を育てられるだろうか? まぁでも彼のように多才でなくとも、同じくらい素直で可愛らし気のある子なら・・・予定はまだないけれど。

「さすが結月君だね」

「えへへっ」

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