2ページ
「お名前は結月君って言うんだね」
「うんっ!」
てっきりユヅキちゃんかと思ったけど、確かに男の子でも付けられる名前ではある・・・あれ?
そこでふと気付く。この名前、他でも見たことあるぞ?
「もしかして先月、スーパーの川柳で特選に選ばれていなかった?」
「え、お兄ちゃん知っているの?」
確かそう。女の子なのにえらく渋い川柳を読むなって思って見ていたんだ。しかも頷く上手さ。
「そうだよ!」
「へぇ、多才なんだね」
「たさい?」
「いろんな才能を持っているんだなって」
「そんなことないよ」
と言いつつも照れたように身体を捩る。やっぱりまだ小学生だね。なんかちょっと安心。
「あ、でもね駅にも鳥の絵を飾ってもらったし、四月には市民の集い? で作文も読んだんだよ」
「へぇ、凄いね」
「あとねあとね、ボク料理も出来るんだ! いつもママに褒めてもらえるの」
「そうなんだ、結月君はお手伝いも出来るんだ、偉いね」
「ふふふ、ママが教えてくれるから」
ママが教えてくれるから絵も文章も料理も出来るんだと彼は言う。それは教えるママが凄いのか、彼の吸収からの昇華が凄いのか。どちらにせよ二人ともセンスが良いと言うことは分かる。
俺にもこんな子を育てられるだろうか? まぁでも彼のように多才でなくとも、同じくらい素直で可愛らし気のある子なら・・・予定はまだないけれど。
「さすが結月君だね」
「えへへっ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます