第三章 使えない駅

第三章 使えない駅

もんや爺さんと、友紀君が岳南江尾駅行きの電車に乗ったのを見届けて数分後、吉原駅行きの電車がやってきた。

何の迷いもなく紀夫はそれに乗り込んだ。

中では、何人か乗客が乗っていたが、また楽しそうに、乗客同士あるいは車内改札にやってきた車掌さんとおしゃべりをしている。

うらやましいなと思ってしまう。

20分くらい乗っていると、終点の吉原駅に着いた。乗客はおしゃべりしながら帰っていく。

紀夫も、改札を出て、東海道線に乗り換えた。というより、乗り換えようと思った。しかし、

「お客様にご案内いたします。ただいま、隣の原駅におきまして、線路に鹿が立ち入りました影響で、上下線で運転を見合わせております。運転再開のめどは立っておりません。ご迷惑をおかけしますがもうしばらくお待ちください。」

というアナウンスが流れる。東海道線の吉原駅の入り口では、タクシーを求めて長蛇の列ができていた。バスも、この駅にはあまり来ないらしく、停留所らしきものはなかった。鹿が立ち入るなんて、東京では絶対あり得ない話だ。こうなると、怒鳴りこみをするような人も出るが、この吉原駅では、そのような怖い人はいなかった。ただ、皆運転再開を待って、おしゃべりしていた。

それにしても。

いつまでたっても運転再開のアナウンスは流れない。これでは、もしかしたら、東京への到着は、夜遅くになってしまうかもしれない。少し焦り始めた。

すると、

「やっほ!」

突然背中を叩かれる。振り向くと杉三である。

「またお会いしたね!よほどご縁があるんだね!」

「ああ、そうですねえ。」

「何を落ち込んでいるの?」

「いつになったら運転再開するんですかね。」

思わず聞いてみると、

「当分無理じゃない?」

と答えが返ってきたので、さらに落ち込んでしまう。

「こういう事はよくあることなんですか?」

「あるよ。鹿はほんとによくいるよ。鹿は奈良公園だけのものじゃない。田舎であればどこにでもいる。」

だめだこりゃ。

「じゃあ、どうしたらいいですかね。振り替え輸送もしないんですよね。」

「しないね。タクシー待つか、バスで行くしかないじゃない。バスも本当に少ししかないけどね。」

「一時間に一本とか?」

「たぶんね。それに夕方の鐘が鳴ったころにはほとんど走っていないよ。夜はほとんど期待できない。」

「最悪。」

思わず言ってしまう。

「田舎だもん。そういうもんさね。だから皆家族か誰かに迎えに来てもらうよね。それで当たり前だよ。ここで待っている人は、タクシーというより、家族を待っているんじゃないの。」

そういうわけだったのか。あーあ、せめて、富士駅までバスで振り替え輸送をしてくれればいいのに!

「これからどこまで行くの?」

不意に杉三が聞いてきた。

「三島まで行きたかったんですけどね。」

「あそう。たぶんこのままだとすごく遅くなると思うから、一緒に乗っていかない?今、水穂さんたちに頼んで、迎えに来てもらおうと思っているんだ。もしよければ、僕のうちで夕飯でも食べていけば?」

「いや、レストランでもあればそこへ行きますよ。」

「期待するな。東京に比べたら、比べ物にならないほど、レストランってないから。それに、駅周辺ではなく郊外に立っていることが多いのよ。だから、また駅に戻るとなると、すごい大変だぜ。」

そんな馬鹿な。そんなに不便なのか。

「じゃあ、駅近くにホテルとかそういうものはありませんかね。」

杉三はしばらく考えて、

「うーん、、、。ない!」

はっきりと答えを出した。

「まあ、蘭なんかに頼めば調べてくれるかもしれないけど、僕の知っている限りでは全くないよ。そんなに無理して苦労するよりは、うちでカレーを食べたほうが、よっぽどいいんじゃないの。」

またダメだこりゃと落胆する。

「じゃあ、杉三さん、東京へ帰るにはどうしたらいいんですかね。」

「あきらめな。それくらい東京とは違うから。それに杉三さんなんて改まった言い方はしないでくれ。杉ちゃんでいい。杉ちゃんと。」

不意に、目の前に車のクラクションが鳴る音がして、一台のワゴン車がやってきた。

「あ、岳南さん来てくれた?じゃあ、うちまで運んでくれないかな。この人も一緒にね。」

杉三が当然のように言ったので、紀夫も度胸を据えて、一緒に乗っていくことにした。

「あいよ。二人とも乗りな。」

威勢のいい運転手が、杉三を手早く後部座席に乗せて、

「どうぞ、のってくださいな。」

と言った。紀夫も続いて乗ったが、窓にはワゴン車にも拘わらず「小型車、初乗り690円」いうシールが貼られている。どう見ても特定大型車のはずではと思うのに、何かおかしい。

「じゃあね、僕のうちまで運んでくれ。よろしく頼むよ!」

杉三がそういうと、タクシーはエンジンをかけて動き始めた。

「いったいこれはどういうタクシーなんですか。ワゴン車なのに小型車なんて。」

「小屋敷ちゃんしらないの?これは誰でも乗れるタクシーで、僕たちは皆のタクシーと言っているんだよ。車いすでも誰でもこうして乗れるようになっているの。」

杉三が意外そうにそういう。

「つまり、介護タクシーのことですか?ずいぶんお金もかかるのでは?」

介護タクシーは、やたら介助料をとられて、使いたくなくなると聞いたこともある。

「いえいえ、弊社では、介助料はいただかず料金も小型車と同じ料金で乗れるようにしています。静岡県では、みんなのタクシー研究会という組織もあって、どこのタクシー会社でも一台か二台はこのタイプのタクシーを用意しております。」

運転手が説明してくれたが、そんな組織があったなんて、全く知らない。

「でも、完全予約制で、予約料もかかるでしょう?」

「予約は不要で、道路で出くわしてもすぐに乗れます。予約料はいただいておりません。どこの会社でも、料金は690円からと決められています。」

東京で、車いすの人が乗るタクシーと言えば、まず一番初めに連想するのは介護タクシーで、各事業者の方針により、初乗り運賃も違っているし、予約料と基本介助料と、あと備品の貸し出しなどがあって、合計すると非常に高い値段となり、時には何十万とかかることさえあるという。初乗り運賃が690円に統一されていることさえも驚きなのに、走った分だけ払えばいいというのがさらに驚きた。東京では、乗り降りの介助だけでも高い料金を取られるのにそれが全くない。

「なるほど。こういう便利な乗り物があるから、気軽に出かけられるんですか。」

「なるほどって、東京にはないの?あるんじゃないの?」

「ありません。こんな便利なタクシーがあるなんて知りませんでした。」

正直に答える。

「まあ、確かに東京はたくさん企業がありますから、作るのが難しいのかもしれないですよね。」

運転手の説明には納得がいく。たくさん企業があれば、意見がばらばらになりやすいし結束しにくいのかもしれない。田舎だと、企業が少ないからまとまりやすいのだろう。

タクシーは大型ショッピングモールの前を通り、綺麗な花がたくさん植えられているのになぜか利用者が少ない公園沿いの道路を走って、東京では二度とみられなくなってしまったと思われる田園風景を走って、

「杉ちゃん着きましたよ。」

と、ある住宅の前で止まった。

「どうもありがとう!また乗せてくれるかい?」

杉三が聞くと、

「いつでも電話してね。皆のタクシー希望と言ってくれればその通りにするから。」

当たり前のように運転手は答える。

「また頼むわ。じゃあ、おろしてくれるかな。」

「はいよ。」

運転手は手早く杉三を外へ出してくれた。

「料金これでいいかな。いくら出したらいいかわからないんだよ。僕、文字を読めないから。」

杉三が一万円札を差し出すと、

「はいよ、お釣りね。」

普通、介護タクシーを使うと、一万円でお釣りがくることはまずないのだが、何枚かのお札が返ってきたので、ただ驚くばかりだ。

「僕のうちはここだよ。降りて。」

杉三に言われて、紀夫も慌ててタクシーを降りる。

「じゃあ、また電話するからその時頼むよ!」

「はいよ。いつでも電話してね。」

これだけのやり取りでタクシーは営業所に帰って行ってしまった。はあ、、、これだけのやり取りで終われるなんて、便利というかなんか感動的。東京には絶対ないシステムだと思った。

「入って。」

杉三が玄関の戸を開けたので、紀夫は恐る恐る中に入った。

「杉ちゃんおかえり。スマートフォンで調べたら、かなり多くの人でごったがえしているみたいだったので、心配してたよ。」

蘭が、玄関先で出迎えた。

「おう、今からカレー作るんだ。この人に食べさせてあげるんだ。」

「なんだ、まだ待たせるのか。」

「そうだよ。単に待っててくれれば、それでいい。」

「まあ、理論的に言えばそうなんだけどね。教授も水穂も来ているよ。」

「へ、何で?」

「杉ちゃんもうちょっと考えてよ。いつまでも帰ってこないから、どうしようかって考えていたところなんだよ。」

と、いう事は、先ほどの電車事故は結構大きな事故だったのだろうか。まあ確かに、歩けないというわけだから、みんなが心配しても不思議はないと思った。

「じゃあ、カレーを作るから待ってて。小屋敷ちゃんは、食堂のテーブルに座ってて。」

蘭に礼すら言わないで、どんどん中に入ってしまうのはちょっと変だなと思ったが、

「まあ、杉ちゃんがどういう経緯で連れてきたのかわかりませんが、とりあえず中に入ってくださいませ。悪いようには決してしませんから。」

と言われて、中に入った。

昔ながらの廊下、と思われる廊下を歩いて、蘭は食堂のドアを開ける。ドアを開けると、手前は食堂で大きなテーブルがあり、その奥には台所があって、杉三が包丁で、にんじんやらジャガイモなどを切っている姿が見かけられた。紀夫が、どうしたらいいものかわからず困っていると、二人の人物、つまり懍と水穂が、タブレットを操作して何か話しているのが見えた。

「やれやれ、やっと運転再開ですか。鹿に衝突なんて、全くこの富士市もまだまだ辺境と言ったところですかね。」

懍はタブレットを見て、そう言っている。紀夫は、懍が誰であるかはわからなかったが、隣に座っていた水穂だけは、過去に何をしていた人なのか、すぐにわかった。

「あの、すみません。もし人違いだったら申し訳ないですが、もしかしたら、右城さんでは?」

思わず紀夫は聞いてみた。

「はい、旧姓はそうですが、どうしてそれを前もって知っているんです?」

学生時代から、二十年以上たっているのに、その美形だけはずっと変わらなかった。

「旧姓?ということはつまり、、、?」

「旧姓は右城ですが、現在は磯野です。」

「あれ、桐朋学園大学では?たしか、学園長と共演していたはずでは、、、?」

「水穂さん、素直に認めたら?」

杉三が、肉を炒めながら、そう言ったので、

「外、出ますか。」

水穂は椅子から立ち上がって、紀夫に縁側へ出るように促した。その顔を見て、やっぱりこの人は右城水穂さんだと確信した。

縁側に出ると、水穂は床に正座で座った。紀夫も何が何だかわからないままとなりに座った。

「人違いではありませんよ。まさしくそうです。桐朋にいっていた時は、ソロもよくやらされたけど、学園長が指揮をするオーケストラなんかで演奏してましたからね。しかしまた、もう何年も経ちましたのに、よく覚えていましたね。」

「それだけお上手だったからですよ。僕はまだ、その当時はがきんちょの高校生でしたけど、もう、とにかく週に一度は演奏会に通い詰めていましたから。いろんな大学の演奏会に行かせてもらいましたが、やっぱり、桐朋はすごかったし、憧れでした。結局、試験で桐朋は落ちてしまったのですが、一度敷地に入らせてもらっただけでも、名誉だなと思ってます。」

「ああ、どこかの大学の付属ですか?」

「いや、違います。ただの公立ですよ。そんな、大学の付属なんて近くにありませんし。」

「ちなみに大学はどこへ?」

「武蔵野です。こうなると、桐朋を出た方から見れば、なんて頭の悪い大学へ行ったのかと、お思いになっても仕方ないですねえ。」

紀夫は、恥ずかしそうに頭をかじる。桐朋の人から見れば、何だそんなところ、大したことないじゃないかと笑われても仕方ないなと思った。

「いいんじゃないですか。今は、どこも同じくらいだと言われてますから。スター的な制度がえられるなんて、芸大くらいなもんでしょう。それに、芸大だって、海外の力を借りなければやっていけませんよ。」

意外な答えが返ってきた。武蔵野ではいまだに桐朋はすごい、負けてたまるかと言いふらす教授が多くいたはずなのに。

「でも、やっぱり、武蔵野から見たら、桐朋は憧れです。やることなすことは全然違います。」

「そうですかね。みんなそう言いますが、階級次第では、地獄と化すこともあります。それに、高校の理解が得られないと、大変なことになってしまう。」

意外なセリフが返ってきた。

「へ?どういうことですか?高校なんて、どうでもいいって感じでしたよ。優等生でもなかったし、好きなようにやれって感じで。」

「やっぱり僕のころとは違いますね。僕らのころは、男が音楽大学となると、教師に逆らう生徒、みたいな感じに扱われて、それを突破するのに相当尽力を尽くさないとだめなんですよ。音大の付属に行けばそれは回避されるかもしれないけど、金持ちでなければできませんから。地方から音楽大学っていうのは、まさしく、軍隊の支援を断ち切られて四面楚歌となった兵士が、一人で敵組織に突っ込んでいくようなものでした。そこがなかっただけでもうらやましい限りです。」

「どういう事ですか?」

紀夫はよく理解できなかった。自分の高校時代と言えば、友達が普通にいて、普通に授業も部活もあって、暇があれば友達と一緒にカラオケに行くとか、バカ騒ぎをしていたことくらいしか思い出がない。

「まあ、杉ちゃんと話している蘭は、古くからの同級生ですが、蘭の家は資産家であり、それなりに豊かな家でしたので、公立学校では生活にほとんど困りませんでした。しかし、僕の家はその正反対だったんです。だから、蘭の方は、割とほしいものが買えましたけど、僕はそのためには一苦労、という事例が後を絶ちませんでしたね。その当時は、事情なんて理解できる年齢ではなかったから、蘭とは犬猿の仲でした。まあ、蘭の方はすぐにドイツへ行ったから、日本の公立高校には行きませんでしたけど、僕はそのまま公立高校に行ったから、そのあとの日々はまさしく、地獄でした。」

「そうなんですか?」

「ピンと来なくて当たり前ですよ。時代が違いますもの。少なくとも、男性が音楽大学を目指しても、何も言われないで平気だったでしょ。僕らのころはそうじゃなかったんです。まあ、東京に住んでいれば多少回避することもできたでしょう。芸大や桐朋が近くにあれば、レッスンを受けに行く事もなんとなくこなせたと思いますよ。でも、ここから東京にいく事さえ、すごいお金がかかるわけですから、それだけでも引き合いに出されて、電車賃を耳元で怒鳴られたり、大学の学費がかかって、そのために親が苦労していることを生徒全員の前で罵られて、こいつは親を殺しかけている悪人だと怒鳴り散らされて、わざと生徒にいじめを起こさせるなどもあり、もう、ひどいもんでした。今の法律ではそういう事をしたら罰が下ることになっていますし、指導死という言葉もあるくらいですが、当時はそんなものは何もないですから、まさしく、四面楚歌でしたよ。」

「ひどいもんですね。でも、誰かに助けてということもできたでしょうに。」

「いえ、絶対にありません!まず第一に、僕のうちは奨学金に頼らないと大学に行けなかったために成績優秀者でなければなりませんでしたから、良い点数は取り続けないといけませんね。そのためには、教師から可愛がられなければなりませんから、少なくとも良い生徒を演じなければなりませんね。そして、生徒には、悪人だと教え込んでましたから、味方も誰も居りません。家族は、僕が大学に行ってくれるのを生きがいとしていたようなものだったので、とても学校が苦しいと言いだすことはできませんでした。まあ、桐朋へ行った後の生活を夢見ることだけが唯一の救いでした。」

「それでは、大学へ行ってからは、ものすごく伸びたのではないですか?」

「それもありませんでしたね。桐朋は、金持ちの温床のようなものですから、教材ひとつ買うにしても高額すぎて、とてもできなかったんですよ。誰かに借りるとかしましたけど、それだけでも面白がって笑うほどですよ。そうかといって、一度シュナーベルが編纂したベートーベンの楽譜を持っていったことがありましたが、田舎者には似合わないと言って、さらに笑われる始末です。大学の四年間は、そういう差別との闘いでもありました。むしろ、なぜ学園長があれほど目をかけてくださったのかなんて、理由は全くわかりません。明治とか大正時代であれば、地方で学ぶ人は、書生という身分がありましたから、ある程度こういう事は回避できたかもしれないですけど、今は、そういう篤志家もないですから。まあ、ここの地方性と、階級に負けたのかな。」

「でもですよ。右城さんには、ゴドフスキーの大家という別名もあったじゃないですか。僕も一度、ゴドフスキーのジャワ組曲とか聞かせてもらいましたけど、すごかったですよ。あんな難しい音楽を流ちょうに弾きこなして、心から尊敬していました。だから、負けてなんていないと思います。」

「ゴドフスキーですか。まあ、確かによくやってましたけど、今はもう体力的に無理かなあ。」

「ずいぶん、もったいない話ですね。僕には、到底かなわない人が、負けるなんて言うなんて。」

「そういうものですよ。士農工商が撤回されなかった方が幸せだったかも。でも、今はそういうわけでもないですから、武蔵野を卒業したら、胸張ってもいいんじゃないですか。」

そうなると、自分なんてまだ恵まれたほうなのかもしれない。でもこの空虚感というか、虚しさは何だろう。

「もし可能であれば、聞いていただけないでしょうか。もしかしたら、贅沢な悩みなのかもしれないですけど、、、。」

紀夫は、先ほど使えない岳南電車で行った、原田公民館での出来事を話してみた。意外なことに、水穂は嫌そうな顔をしなかった。贅沢ともわがままとも何も言わないで、最後まで聞いてくれた。

「まあ、そういうもんですよ。音楽を学ぶということはある意味、他の人間とは隔離されるような生活を強いられることが多いですから。ここ最近、アマチュアの合唱団とか、オーケストラの設置は多いですけど、その人たちの知識のなさが問題なんですよね。」

「水穂さん、わかってくれますか。正直、稲葉という人が、なんだかゴジラみたいに見えますよ。水穂さんのように、知名度がある人なら、従ってくれるかもしれないけど、僕みたいな無名の人間ではどうしても動かせませんよ。」

「それでも動かしていくのが、役目なんじゃないですかね。時に、権力というものは、威力を発揮するものでもありますからね。日本は、諸外国に比べると、権力者にはまだまだ弱いようですし。」

「そうですね、、、。」

「まあ、まだまだ音楽業界は、改善の余地がありますよ。」

ため息をつくしかなかった。基本的に人間が出せる答えというものは、ほんの一握りしかないから。

「どこへ行ったの、お二人さん。カレーができたぜ!」

いきなり、世俗的な話が出て、思わず吹き出してしまいたくなる。

「行きましょ。杉ちゃんのカレーは、本当にうまいですよ。」

「はい。」

二人は立ち上がって、食堂に戻っていった。



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