第13話一家団欒2

「「「いただきます」」」

 大分時間を食ったが、ようやく昼食にありつけることとなった。

「おにいちゃん……にたまごぜんぜんあじがしみてないよ!」

「しょうがないだろ。浸け時間十分くらいだぞ」

「そっか~、やっぱりわたしが何か」

「「それはない!」」

 おれも向日葵も、若干食い気味だった。

 いつものことながら、自分の実力をちゃんと分かってる上でのその発言はやめてほしい。

 しかし桃は、にっこり笑顔で言った。

「わたしだって、自分で料理が上手くないって分かってるよ~。でも、だからって苦手なことから逃げちゃいけないと思うの~。そう思わない? あいちゃん」

「う、うん、それはそうだけど……」

「そうだよね~。だから、これからも食べてくれるよね~?」

「……」

「……」

 おれと向日葵は揃って顔を背けた。

「も~、絶対美味しいの作ってあげるんだから~!」

「ズルッズルッズー」

「ズルズルズルー」

「二人とも無視しないでよ~。団欒しようよ団欒~!」

 いやだよ、その話を掘り下げてもろくなことにならなそうだし。食べさせたいならまともな物作ってからにしてくれ。練習台にするのはやめていただきたい。

 それより、早くアニメショップ巡りしたいわー。何買おうかなー?

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