閑話休題?

時雨ハル

春の奇跡

 とあるファミレスのキッチン。チョコ(ソース)がパフェに盛り付けられようとしている。

チョコ「あぁ、待ってくれ。せめてもう少し、もう少しだけ苺と……!」

苺「チョコさん行かないで!」

チョコ「済まない苺、もう、僕は……」

苺「あぁ、どうして私達は同じ器に盛り付けられないのかしら! ここがクレープ屋だったら死ぬその瞬間まで一緒にいられたのに!」

アイス「残念だったわね、苺さん。チョコさんは死ぬまで私と一緒にいるのよ」

苺「アイスさん……! チョコレートの味がしないのにチョコさんと死ぬ瞬間を同じくするなんて、憎い人!」

アイス「おほほほほ! 貴女は所詮期間限定のフェアでしか使われない食品なのよ! それにひきかえ、私とチョコさんの愛は永遠よ……」

 アイス、うっとりしてチョコを見つめる。

アイス「チョコさん……。死ぬ瞬間まで共にいましょうね」

チョコ「やめてくれ……僕が苺を愛していると分かっているんだろう?」

アイス「っ……!」

チョコ「苺、たとえ死んでも僕は常に君と共にあるよ」

苺「チョコさん……」

 見つめ合う二人。その時奇跡が起こった!

店員「苺フェアの新商品、チョコレート苺パフェなんてどうっすか?」

店長「いいなそれ!」


こうして、苺とチョコはめでたく結ばれました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る