第43話 ユウ、冬休みは
大学は冬休みに入った。
ユウに5日間の短期のアルバイトの声がかかった。スチームローラーのパーツやリンと両親へのクリスマスプレゼントが買うことができるので、ユウはうれしかった。
今回のアルバイト先は、リンとポタリングの時よく行くカフェであった。ここのタルトは、ユウやユウの母の大好物である。この小さいカフェは、20代の双子の姉妹だけでやっている。
このカフェで、常連にクリスマスケーキを依頼されたので、ついでに予約を受け付けたら、あっという間に30個の注文があった。慌てて注文を締め切ったら、注文に間に合わなかった常連から苦情が来て、結局50個のクリスマスケーキを製作する羽目になった。
さすがに2人でカフェを開けながら、50個のクリスマスケーキは作れない。臨時にアルバイトを雇うことになった。それでユウとリンに白羽の矢が立ったという訳である。あと1人ほしいとのことだったので、リンは嫌がったがミトが来てくれることになった。
カフェでは、主に姉妹の姉が接客や飲み物の用意をし、妹がケーキを担当している。ユウとリン、ミトの3人は接客の方に1人、ケーキの方に2人に別れてつくことになった。とりあえずミトが接客に、ユウとリンがケーキについた。リンはユウと一緒の作業なので、ご機嫌である。
平日でも、近所の主婦らしき人達でカフェは賑わっている。ミトは無難に接客をこなしていたが、2時間位でユウと代わる。そして、また2時間位でリンに代わって初日は終わった。
3人は慣れない立ち仕事に疲れて、そのまますぐ解散となった。
次の日から、リンが接客担当となり、ユウとミトがケーキ担当になった。カフェの姉妹なりに適性を判断したらしい。ユウが理由を聞くと、
「なんとなく。」と、姉の方が答えた。
なるほど、ボーイッシュなリンはカフェの女性のお客さんに人気があって、よく話しかけられている。意外にもリンはそういうお客さんをうまくあしらっていた。
この日も無事終わって、ユウとリンは
クリスマスプレゼントは何がいいか、ユウがリンに尋ねた。
「ユウのキスがほしいかな。」リンは唇に人差し指を当てながら言った。
「ふざけないでください。」
「じゃあ、ユウとの婚約指輪?」
「
結局、クリスマスプレゼントは、お互いにサプライズでということになったのであった。
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