僕らの報復計画

天崎 瀬奈

プロローグ


当たり前に明日が来ると思っていた。

当たり前に明日が来ると思っている。

当たり前に幸せがあると思っていた。

当たり前に幸せがあると思っている。

明日に、未来に、保証なんて、確実なんて、ありもしないのに。

それなのに、この世に明日が確実とされている人間は

それなのに確実とされていると思っている人間はどのくらいいるのだろうか。

明日も幸せな日々がくるという風に思っている人間はどれくらいいるのだろうか。

明日を過信している人間はどれくらいいるのだろうか。

きっと過半数の人間がそれに当てはまるのだろう。

大人に夢を壊され、否定され歪められる人間がいるということを知らないのだろう。

もしも大人という存在が信じられないと知ったら君らはどうする?


これから話すのはそんな世界を生きているものの話だ。

嘘くさいと、映画の脚本じゃないんだからと、阿呆らしいと、

そう思う人がいるかもしれない。

だがそう思った人間は前に書いた通り、

ただの偽善者である。平和ボケした人間である。

これから話すのはこの先ありえるかもしれない物語だ。

これが人間の本質だ。

いざという時には、本物の友情、関係、絆、いろんなものがわかる。

お金のために、地位のために、それだけのためになんだってするのが、

結局のところ自分が誰よりも可愛いのが、

それが人間なのである。

この話を読んでるうちに君はきっと気づくことだろう。

自分がどれほど愚かで、平和ボケしているのか、

この世界はこんなにも歪んでいるのだ、と。

それに気がついて、君がどんな道を歩んでいくのか、私にはわからないが

きっとこの物語に出て来る悪のようにはなりたくないと。

そう心から思うことだろう。

読んでいる君が学生ならなおさらこの物語を読むことをお勧めしよう。

これは君らと同世代の少年の物語だからだ。

もし君らが、今、進路選択を迫られている学生ならなおさらお勧めしよう。

この話に出てくる少年は、大人に、教師に、夢を諦めろと、何度も言われ続けて、それでも夢を叶えようと必死になっているからだ。

どれだけ絶望的な状況だろうと、夢は叶えられるのだと、強く教えてくれる作品だろうからだ。



それは少年の物語。

これは少年の物語。

夢を描いた少年の話。


「大人はなんでも知ってる」

「大人はなんでもできる」


そう口を揃えて言うのはいつだって大人自身だった。


くだらない過去に縛られた校則。

汚れた世間。

金の横領や浮気ばかりの報道。


何を信じればいいのだろうか。

何を見ればいいのだろうか。


こんな世界なら、こんな世の中なら、僕が、僕たちで、変えてみせる。



少年は言った。

「夢が見たい」

少年は言った。

「僕は警察になる」

少年は言った。

「この世界を変えてやる」



夢を語った。

汚れた大人になりたくなくて

自分の信じた兄弟のような人間になりたくて。


それでも突きつけられるのはいつだって現実で。


「お金がないだろ」

「夢を語るな」

「現実を見ろ」

「世の中甘くないんだよ」


大人は言う

「夢を描け」

大人は言う

「現実を見ろ」



大人のいう夢を語れは現実を見ろの裏返し。




気に入らなければ

思い通りにならなければ


殺してしまえばいい。


消してしまえばいい。


壊してしまえばいい。


そう笑っているのは大人だった。






貴方にとって大人はなんですか。

それでも憧れるものですか。












僕達は。














             「自分の正義を貫きたい」










これは大人に抗う少年の1つの夢物語。



それでは、この物語の中に入っていこう。


ところで偉そうに語る私は何者か、?


ふふっ、それは君がこれからこの話を読むのにも、生きていくのにも、

全くもって必要のないことだから知らなくていい。

私の存在のことなど、

きっとこの話を読んでいるうちに君は忘れてしまうだろうしね。

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