第44話 ほんの少し上向き?


いろいろなことがありそうでないまま、もう6月。ついこの前、年度の終わりに更新したような気がしていたのに、早いものです。


子どもたちは無事に進級しました。

まあ義務教育なんでなんとかなるものなんでしょうが。


中2になったカースケさん、たった一度だけ裏門よりもさらに地味な門の前まで行ったきり、一切学校には向かってません。

別に強い拒絶があるわけではなく、「いや、まあええわ」くらいの拒否。「ええわってなんやねん!」と言いたくなるときもあるけど、そこは飲み込んで。


新しいクラス、なんと担任の先生は一年のときと同じ先生で。ありがたくお世話になってます。イチからの説明が要らないのが嬉しい(笑)

ときどき書類等を届けてくださるのがありがたい限りです。たまにはカースケさんも顔を出してご挨拶してます。


多少の変化としては、先日ちょっと都会の方であった「通信制高校フェア」みたいなやつに一緒に行ったことでしょうか。


4月末から5月頭に家庭訪問があったとき、ざっくりと進路を考える必要があり

ました。

将来のことなんてまったく思い描けていなかった子にはなかなか大変な作業だとは思うけれど、結構いい機会なのではないか、と思ったんです。ある程度のメンタルの安定も得られ、2年生という現状を考えたときに、「未来が見えないから死ぬ」と言っていたころから少しずつ脱却できれば、と。


考えられる選択肢を挙げて少し考えさせて。

本人の出した結論が、通信制高校でした。

カースケさんとしては、高卒資格はほしい。できれば大学も視野には入れたい。

でも今のまったく通えていない状況では週5日通わなければいけない全日制は厳しいと思ったみたいで。

家庭訪問の時に、通信制高校が現実的だと思う、と先生に伝えていました。


それを受けてのフェア参戦。

ある程度自分の意見はまとめられたものの、今程度の薄っすらした印象だけでは受験する学校を絞るには情報不足だろう、と思って行くことにしたんですが、正直なところまさか本当に行ってくれるとは思ってなかったです。

どうせ当日「やっぱり無理やわ~」と言われるんだろう、という予想を裏切り、案外ノリノリ?で来てくれました。


電車に乗って1時間弱。

ひろーい会場にたくさんの高校がブースを構えていて、そのまえに並んで待って話を聞く、という形でした。

会場内は保護者らしき人も受験生らしい学生も、かなりの人数がいました。みんな通信制高校に興味あるんやなぁ、と間抜けな感想を抱きつつ。とにかくまず私が本命視していた高校に突撃。

カースケさん本人も、その高校のパンフを見て希望コースを選び、説明をしっかり聞いていた様子でした。


都会まで出たわりに、一校の話を聞いただけでキャパオーバーになったみたいでしたが、引きこもりの人見知りがよく頑張った!!と褒めたたえ(笑)

たくさんの学校のパンフレットをもらって帰りました。


ほんと、よく頑張ったなーと思います。

その時間だけはちゃんと自分と向き合えたわけですし、人の多いところへ突入し、さらに話を聞いて受け答えするなんて、2年前では考えられなかったこと。

成長してるねんなぁ、とちょっとじんわりしました。


しかも話を聞いていて分かったのが、カースケさんが案外自分のコミュ障を治したいと思っていたこと。


話を聞いた学校には大学のように単位制で自分の好きに授業を組むコースもあれば、少人数ながら「クラス」という単位で授業を受けるコースもあり、様々選べるのです。

説明をしてくださっていた先生のどっちがいい?との問いかけに、カースケさんは意外にもクラスの方を選びました。

クラスというものにトラウマもあるし、何と言っても引きこもりの人見知り。絶対単位制を選ぶだろうと思っていた私。

ひょっとして、思ったよりカースケさんは現状を打破したいと考えているのかも。

そんなことを思ったのです。


滞在時間は1時間にも満たない程度でしたが、様々なことを得られた気がします。

私の中では今のところその学校が本命なのですが、こればっかりはカースケさんの意思が一番。まだ2年なので時間もあるし、いろんなことを考えて決めていければなぁ、と思います。

今は何より、少しでも先のことを考えられたこと。

これに尽きますね。


だからと言って、久しぶりに勉強をしてみるというわけでもなく、学校に行ってみようとするでもなく、日々は相変わらずただのゲーム・漫画・アニメのオタクとして棲息しているカースケさんです。

自分の進みたい道を、いつか自分で選んでほしいな。

ほんの少し、そんな期待が持てた日でした。




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