好きなボカロからイメージした話を淡々と。
の
よるをおよぐ/初音ミク
機械的に足を動かす。
身を売って、本命に振られる。
愛を売って、愛に逃げられる。
何故だろうか。あなたのためだったのに。
そんな積もる疑問をあなたへの気持ちと恋文と共に捨てる。
今必要なのはそれではなく、居場所。居場所を求めて計画都市をゆっくりと歩き回る。
寝れなくて抜け出したベッドはすっかり冷えているだろう。
あなたとの関係のように。
私はいま、魚。
夜を、街を、宇宙を気ままに游ぐ魚。
あなたにとっては肴でしかなったようだけれど。
疲れていたはずの身体が、心が街に溶けて疲労さえも崩壊してゆく。
ちかちかと目に五月蝿いネオンもまた一興で。
いつもは売られる側の私が値踏みするのもまた滑稽で。
未成年の子に持ち掛けては手を振って。
こんなことをしても何も解決しない。変化もしない。
けれどそんな夜もまた素敵じゃあない?
まだまだ子どもだから夜には惹かれるの。
そう心地よく自分に酔いながら溶ける。
お酒は要らない。
あなたが私を必要としないように。
嗚呼、夜はまだ明けないようだ。
好きなボカロからイメージした話を淡々と。 の @kakumaro
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