お前、今日から俺のもんな。

かちこち。

「お前、今日から俺のもんな。」




僕が皆と違うことに気づいたのは中学1年生の夏だった。やっと恋愛と友情の違いを理解し始めたくらいの僕が、ふざけて(けれどもきっとそこに恋愛感情はあった)付き合お、などと言った相手は2つ上の男の子だった。周りのお調子者達のまだ育ちきって無い恋愛欲求でも、それは若い女の先生とか、同級生とか、少なくとも女性へ向けたものだった。僕だけが皆と違う。水泳の授業が始まり、僕は同級生の水着姿に性的な興奮を覚えた。気づけば目線は下へ向かう。下腹部が熱くなるのも感じた。その興奮を抑えようとする自分の必死さが、残酷にも自分の異様さをはっきりと自覚させた。


隠さなくてはならない。そう思った。異様なものは虐げられるのが当たり前のこの世界で、僕が生きていくにはそうするしかなかった。


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そうして1人平凡な男子中学生は、高校生になる。ゆう、という名前の女の子っぽさも幸いして、少々のことはかわいいー!で済まされた。きっと、ホモだとはバレていない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なぁ。」

「ん、何?」

「お前、俺と付き合え」


あまりに突然のことで理解が追いつかなかった。高校1年生の初夏。ある程度クラスに馴染んだ頃だった。放課後の自習後、僕と、彼だけが教室に残っている状況でのこと。なぜ僕が、1人で生きていこうと決めていた僕が男に告白されなければならない!?しかも、


「待って待ってなんの冗談?、合崎くん彼女は?」


そう、こいつ、合崎は彼女持ちだったはず。つまり、僕はからかわれているんだ。こんな高身長イケメンが本気で僕を好きなわけがない 、、、しかし、反応でバレないようにしなきゃという強い決意も一瞬で意味のないものとなった。


「は?彼女とかとっくに別れた。しかもさ、俺バイだから。で、お前のことが好きになったんだけど?俺のこと嫌いなら振ればいい。」

「まっ、待って。別、れた?で、バイ?」


なぜこう恥ずかしがらずに言えるのか、バイだということを平気で明かして怖くないのか、僕は分からなかった。


「だから、そうだって言ってんだろ。で、返事は?」

「っや。ち、ちょっと待って、って」

「ふっ。」

「え、?」


その瞬間、突然壁に押し付けられる。


「待って。ってことはさぁ、可能性あるんでしょ?もしかしてお前ホモ?」

「っま、、はなしてっ、ちがっ」


両腕を掴まれ、抵抗できない。


「いやさぁ、そんな可愛い反応されたら無理矢理にでも俺の物にしたくなるんだけど?」


そう言って、首筋を少しだけ舐める。


「なっ、ゃあ、っ、やめっ。」

「ほら。なぁ?そんな声出して誘ってんの?、嫌じゃないよな?」


このままだと、本当に、


「っまっ、て、ゃ、こんなとこでっ、っやめ。」

「、、、、、わかった。」


そう言って合崎くんは僕を解放した。


「っはぁ、、合崎くん?何、もう。、」


っよかった。終わった?のか。安心と、ちょっとの残念が胸に残る。


「付いて来いよ、。」

「えっ、ゃっ、どこいくのっ、」


何が何だかわからない僕は、合崎くんが手を掴む力に抗うことさえ出来ず、ただ彼に着いて行く。


「ほら。」

「えっ、あっ、ありがとぅ」


廊下をしばらく歩いた後、彼から僕の通学かばんが渡される。あっ、もう、帰るつもりだったのかと、ようやくそこで気づいた。

手は掴まれたままだ。


帰り道、合崎くんは僕の家へ向かう分かれ道を通り過ぎて、手を掴んだまま別方向へ進む。

手を繋いでる風に見えるようで、周りの目も気になってきた。


「ねぇ、どこっ、行くのっ?、家帰るんでしょ?僕ん家こっちじゃないからさ、手、離して!?」

「は?、、お前、教室で言ったこと忘れたの?こんなとこでやめて。って言ったんだよ?、俺ん家なら、問題ねぇってことだよな。」

「え、、、っひ、、ゃ、、僕帰るっ、離してっ」


彼が僕を家に連れ込んで、さっきの続きをしようとしていることを一瞬で理解し、手を無理矢理離して歩いてきた方へ走り出す。


「っふ、無理だよ。」

「っゃあっ、っも、速いっ」


50メートル走のタイムで言っても約1.5秒は差がある。追いつかれるのは当然で、気になるのは彼が楽しそうに笑っていることだった。


「ねぇ?、俺から、逃げられると思った?」


そう問う彼の笑顔を見て、

もう、、無理だ。。と思った。諦めるしかないと悟った。これ以上抵抗しても、彼を余計に喜ばせるだけだ。


「はいはい、こっちですよー、」

「あっ、一人暮らし、、なんだ。。」

「おう、。だから声、遠慮しなくていいぞ?」

「、声、って、?、、、っあ。」


彼の指している「声」が、話し声のことではないのに気づいてすぐさま顔が赤くなる。


「ん?分かっててついてきたんだろ?本当は期待してるくせに。ほら、顔赤いぞ?」

「そんなことなっ、、」


諦めた。というより、彼の言う通り僕は彼とのことを期待していた。それを見破られたことがひどく恥ずかしかった。


「とりあえず、制服、脱いで?」

「っ、分かっ、た。」

「おっ、素直だな、欲望には勝てないか、」

「、、ちがっ」


違うと口では言いながら、彼の命令に従って服を脱ぐ僕は、その時点でもう理性などなくなっていたのだと思う。


「ぬいだ、よ。恥ずかしい、、、」

「、、、、かわいい。」

「、かわいくなんかなっ、。。」

「、、、なぁ?、どうしてほしい?」

「っへ?、」

「俺にどうしてほしいか言ってみろよ。」

「っ、そんなの、っ、決まって」

「、、、。」

「あ、っ、もっ、いじわるしないでっ、触って!」

「オネダリするなんて、生意気だな。、とりあえず、、」


彼が引き出しから取り出したのは僕の部屋にあるものとほとんど同じものだった。僕は自分用、彼はきっと、相手用。それをつけられるのだと、そう考えただけでもう体は熱くなる。


彼が僕の首筋を舐めた。

そしてそれを両手首につける。これで、僕はこれから彼に抵抗できない。


「っひゃぁっ、っあ、」

「かわいいなぁ、ほんと、女の子みたいだ。」


彼は僕の敏感なところを躊躇なく弄ぶ。

当然のように彼の右手は胸の突起へ向かい、耳や肩も舐めて刺激する。


「っふぁあぁっ、っや、っちくび、ゃめて、、」

「ははっ。。すげぇ感じてやがる。もっとしてくださいだろ?やめてじゃねぇだろうが。」

「やめっ、ら、め。、」

「ほら、ほら、。」

「っやぁ、っん、ぁあん」

「、、ゆうの乳首気持ちいいですーって言えよ。」

「へ?、そんなの、っ」

「言えるよね?早く言えよ」

「んぁっ、、は、っゆうのっちくび、気持ちいっれす、っ、ひぁ、」

「はぁあ、、、お前変態なの?、クラスメイトの男に乳首弄られて感じてるとか、気持ちいいって言わされて喜んでるとか、変態だよなぁ、」

「っやっ、あぁ、んっ、変態なんから、なぃ、っ、っぁあ」


正直もう、我慢できなかった。一番触ってほしいところは触ってもらえない。


「ふふっ、言いたいことあるなら言えよ。」


彼は僕の気持ちを見透かしたようにそう言った。


「っねっ、触って、下ぁ、、」

「下?じゃわかんねぇな、」

「っ、僕のっ、っぉち、ぽ、触って、くださっ、、」

「はーい、よくできました」


そう言って、彼は僕のそれを勢いよく上下に擦り始めた。


「やっ、んやっ、っあっあ、んあっ、や、やめっ、っゃあめ、」

「うっわ、すごい顔、ねぇ?イきそ?イきたい?」

「もっ、や、らめっ、っぁ、いっちゃぁ、、いきたぁ、、」

「はい止め。」

「っあ、、なん、で、、」

「ははっ、そんな顔してどした?」


いく寸前で止められ腰がビクビク跳ねる。手錠の所為で自ら触ることも出来ない。、


「いかせ、てよっ!」

「あ?何だよその言い方。お前何様?」

「っ、く、っぁいかせて、くださぃ」

「、、足りねぇなぁ?」

「ゆうのっ、淫乱ちんぽっ、シコシコってしていかせてくださっ、ゃあ、っあっあっ、まっ、れ、っああぁっ」


言い終わる前に彼の手は僕のそれを貪り始める。


「っひぁ、っあっ、んぁっ、いっちゃ、」

「いけよ。淫乱野郎。」


そう言って彼はそれにしゃぶりつき、舌で激しく刺激し始めた。


「んぁっ、もっ、っああっいく、いくっ、いっちゃ、っああぁぅ、っあんん、っぁああっっはぁ、は、はぁ、、はぁ、、」

「、、随分ド派手にいったなぁ?気持ち良かったか?」

「んぁ、っ、もっとぉ、、」


既に僕の頭の中は快楽を求めることだけで、それ以外に羞恥心も理性も何も無かった。


「っははっ、ほんっとに変態なんだっ、!、いいよっ、好きにしてやる。」

「っぁ、早くぅ、っ、ちょうだっい 」

「ケツこっち向けろ。どーせ、自分で開発してんだろ?変態だもんなぁ、。」

「んぁっ、っああっ、っふ、」

「まじ、ぐっちょくちょ、」


僕は、彼にお尻の穴を指で弄ばれてもまだ足りずに腰を振る。


「、もういいよな?てか、お前は最初からこれが欲しかったんだろ?」

「っぅん、っそれ、それぇ、ほしいのっ、僕の中に合崎くんのぁほし、っ、のぉ、、っぁ、」

「お前の望み通りにしてやるよ。」


それを待ち望んでヒクヒクと動く僕の穴に、合崎くんのものが一気に挿入される。


「んっひあぁっ、っぁあん、あんっぁ、ん、ぁあっ」

「もっと鳴けよ、おら、おらっ。」

「ああぁぁっ、っひぁ、も、いっく、っゃあ。」

「メスイキするんだっ?クラスメイトのちんぽで中ゴリゴリされていっちゃうんだ?」


そう言って彼は腰をより激しく動かした。

彼のものが僕の奥をつく度に声が漏れて、彼がそれを打ち付けるリズムと僕の喘ぎ声のリズムが重なる。


「っああっ、いっく、もっ、我慢できなぁ、」

「くっ、俺もっ、いきそっ、」

「っいっ、いって、ら、っひぁっゃあぁっ、、来てっ、中にっ、出してぇっ、」

「ふははっ、、えっろっ、っはぁ、はぁ、出すぞっ」

「っああぁっや、っおかしくなるっ、っいいいっ、ずっといって、ら、っあ、んっ、ぁんっ、っ」

「おかしくなれよ?なりたいんだろ変態、っ、」


乳首まで弄られて、絶頂が止まらない。もう、この先一生イキ続けたままなんじゃないかと錯覚さえした。


「っいぃっ、ぐぁっ、っぁああっ、っん。ぁんっあっあっん、っはぁ、、、はぁ、、」

「ケツ締めろっ、俺ので孕めっ。っ」

「もっ、無理ぃ、いくのっ止まらなぁっ、っひっぁ、あっ、っはぁ、、」

「、ふぅ、、」

「っは、はぁ、、はぁ、、っ、」

「こんな変態、女でも見たことねぇや、、」

「っ、、は、、そんな事言わなっで。。」

「なぁ?、気持ちよかったか?」

「気持ちぃかったぁ、、ふぇ、」


突然に合崎くんの唇が僕の唇に重なり、激しく舌を絡ませてくる。


「っふぁ、っぁ、っゃ、は、何っ?」

「やべぇわ、欲しくなっちまった。お前、今日から俺のもんな?」

「えっ、っまっ、まっれ」

「ふふっ、、待ってってことは、つまり良いってことだろ?」

「そんなっ、ずるぃっ、て、、」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こうして僕は合崎くんのものになった。彼はかっこいいし、sexだってすごく上手かった。僕に断る理由は無かったし、歪んでいてもこれは恋人という関係であるはずだった。

ただ、怖かった。彼がいつ僕に飽きて僕を捨てるのか。もしくは、こんな変態には付き合ってられないと見放されるのか。

彼とのこの先に期待してはいけないと思った。いつか別れることを頭に置いて過ごしていかなくてはいけないと思った。






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お前、今日から俺のもんな。 かちこち。 @ochika009

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