『電気』を入れて【嬉しい】
明るくないと寝られなかった。
部屋、天井、布団、ここにあるものを知る事でしか、自分の存在を確認できなかったから。
自分が消えるのが怖くて、何度も目を開いた。
「電気を消して」
君が手を伸ばすと、全ては消える。目を開いても、何も知る事はない。
ここにあるのはただ、右手を包む温もりだけ。
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