夢物語
神谷和希
第1話
あなたがわたしの事を忘れればいいのにな
わたしは月の裏側なんかで寄り添った夢を思い出して寝るの
きっと夢なの
そう言い聞かせて眠った
だって
だってあの家はもうないし
揺れる椅子もない
一段飛ばしで駆け上った石階段も
見下ろした海も
もうどこなのかわからない
あなたを置いて行ったわたしも
窓の外を見ていたあなたも
誰なのかわからない
わからないって事は
ないって事なんじゃない?
空を流れる星に乗って消えちゃっても
黒い雲の中に潜り込んでそのまま消えちゃっても
そんなのもいいんじゃない?
なんて
そんな
夢を
見てた
貴方の柔らかい手を握ってみる
温かい胸が私の中の何かを思い出させる
ような
眠っている貴方の背中に子どものように甘えたくなる
ような
そんな
そんな夢物語
夢物語 神谷和希 @aki0124
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます