第21話~第30話
<21話予告>
一つの戦いが幕を閉じた。だが、遊兵に休息はない。
重力の舳先で空を穿ち、遥か光円錐の彼方へ。
次なる戦場には、過去がある。
男は焔に惹かれる羽虫。何度でも、灼かれては落ちてゆく。
次回、第21話『黄金の午睡』
二人なら、何処までも堕ちてゆく。
<22話予告>
戦士を支える礎としては、贖罪など、甘いのかもしれない。
だが、彼の戦う理由はそれだ。たとえエゴでも、自己欺瞞でも。
愛と呼ぶには苦すぎる。憎悪と呼ぶにはあまりに甘美。
命さえ惜しまぬ男が、ただ一人の女に捧げたものは。
次回、第22話『逢瀬』
赦しはすべからく幻想である。
しかし人は、幻を追ってしか走れない。
<23話予告>
彼にとっての幸福は、もはや還らない日々の墓標。
いつか、己を赦せたならば。あの愛に報い得るのだろうか。
守りたいと願った瞬間、その魂は気高さを灯す。
だが、酷薄な蓋然がまさに今、咎の払い戻しを強いる。
次回、第23話『帰郷』
失ってはならぬものばかり、指先からこぼれ落ちてゆく。
<24話予告>
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時よ戻れ。
次回、第24話『理由』
すべて戻らない。
<25話予告>
明かされた決意。それは喪われた。否、この手で焼き尽くしたのだ。
祈りの残滓が煌めくたびに、男を穿つ風穴は拡がる。
荒れ狂うほどに冷えてゆく。復讐ですらない、この衝動。
我思わず、ゆえに我も無し。罪と罰の重力崩壊。
次回、第25話『報い』
理想の兵士に、理想は要らない。倫理、道徳、理性さえも。
<26話予告>
何も残らなかったはずだった。
しかし、ならば何故。亡き人の意志に背いてまで、戦っているのか。
対峙するは時代の天元。敵である理由も、義理も無かったが。
憎しみをくれたその剣先に、勝ちたいと未練の血が流れた。
次回、第26話『誼』
げに救いがたき男の性。そればかりが、今は生きるよすが。
<27話予告>
平和とは戦乱の不在である。
空隙に過ぎぬそんな時間の、尊さを知るは不幸の証。
優しいものすべてに背を向けて、復讐と懺悔の環が閉じる。
これぞ、たったひとつの冴えたやりかた。
次回、第27話『決意』
傷よ、いため。命ある限り。一分一秒でも永く。
<28話予告>
亡国の皇子。そんな肩書きを、望んで背負う者などいない。
最強の名声すら虚しく、男は己を殺し続けた。
秘密は人間を孤独にする。
苛烈なる運命の軛、解き放つべき救いの鍵はいずこ。
次回、第28話『父殺しの男たち』
最も尊い贖罪は、報われぬと知りながら行われる。
<29話予告>
絶対運命論者。生ける聖遺物。サムライ。異能狙撃者。
一騎当千の駒を重ねて、万軍打ち破る楔と成す。
拓くは、聖地へ至る道。起死回生の
暗黒星雲の夜を超えて、利欲と疑心が相駆け引く。
次回、第29話『反攻』
渦巻く熱プラズマの嵐が、無法のレースを膳立てる。
<30話予告>
信仰によって繋がれる民。
清貧の教えを守る姿は、なるほど人間の一理想か。
だが、ドグマの奥に影がちらつく。隠せぬ腐臭が立ちのぼる。
聖地の最奥、欲望の澱で、異形の存在が胎動する。
次回、第30話『聖者たち』
驕りでなく劣等感こそが、選民思想の母となる。
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