@moru_chocochip

第1話

中二の三月の初めに転校してきた私は不安でいっぱいだった。自己紹介をして、朝の会が終わったらたくさんの人が来た。友達は作る気がなかった。中学最後の年は、ぼっちで過ごそうと決めていた。いじめられることを覚悟していた私だがそんなことはなく、それでも一人で過ごす時間が多かった。三年生になるまでは。


三年生になって受験生というものの実感がまだ湧かない頃、ある男子と班が同じになった。その男子はクラスでの権力者らしい。運が悪かったとしか言いようがない。私の班の女子は顔が整っているとはとてもいい難く、性格も普通以下な上に運動神経がこれでもかとばかりに悪い。いじめられる三大要素を全て埋め尽くした彼女は予想通りいじめられた。漫画とかで見るような綺麗な子がいじめられるのではなく、明らかないじめ。授業中に消しゴムを投げつける、ばい菌のように扱う、陰口を言う。昔の人ならそんなの序の口というかも知れないが、私立育ちでいじめのいの字も聞いたことがなかった私には刺激が強すぎた。

その日から私、清水逢と西原圭佑との争いが始まった。

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