302.10月度アップデート実装
ガーゴイルを入手するという予定外のイベントは発生したが、10月のアップデート前の大きな出来事はそれが最後だった。
なお、俺のガーゴイルについてもドワンに装備を依頼したら、日曜日にはガッチリとしたオーダーメイドの装備類が完成していた。
試作品の装備もかなり多いらしいが、それでも俺のガーゴイルはかなり強くなってしまった。
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名前:降魔 種族:ガーゴイル(金剛力士) 種族Lv.1
HP:1528/1528 MP:435/435 ST:1021/1021
STR:402 VIT:563 DEX:204
AGI: 56 INT: 15 MND:405
スキル
攻撃:
【片手剣】【両手斧】【塔盾】【ライフル】【挑発】
魔法:
なし
補助:
【HP回復速度上昇Ⅹ】【HP回復上昇Ⅹ】
【物理攻撃上昇Ⅳ】【物理防御上昇Ⅵ】
【魔法防御上昇Ⅳ】
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防具の意匠も和風鎧なので金剛力士にはよく映えるというべきか。
まあとにかく、どの程度使うかわからない眷属が非常に強力になったという事は確かだ。
そんな騒動があったが、月曜日には24時間メンテという事でゲームにログインする事はできず、次にゲームにログインできたのは火曜日の夕方だった。
ゲーム内イベントとしては、ハロウィンのカボチャ狩りイベントが実装されているはずである。
その他にも錬金術士としては、色々と追加要素も実装されているわけで、そっちの方を確かめに行かねばならない。
だからこそ、夕食前のまだクランとして活動開始する前の時間にログインしたのだから。
クランホームにログインして、ホームポータルから王都のガンナーギルド前まで転移する。
王都のガンナーギルド前まで到着すると、周囲に色とりどりの装飾が施されていた。
これもハロウィンイベントの一環なのかな?
装飾を眺めつつガンナーギルドに入ってみる。
今のところ、目立った混乱……というか、騒動はないらしい。
とりあえずショットガンの製法を入手できるか聞いてみるか。
「いらっしゃいませ、ガンナーギルドへどういったご用件でしょう?」
「ショットガンの製法が解禁されたと聞いてな、それを調べに来た」
「ショットガンの製法ですね。少々お待ちを」
受付嬢は一度ギルドの奥へと引っ込み、一人の女性を伴って戻ってきた。
「久しぶりね、トワ。こうして会うのはジパン行きの船に乗る前かしら?」
「おそらくそうですね。お久しぶりです、アリシアさん」
「それで、ショットガンの製法を知りたいのよね。ちょうどいいわ、一緒に付いてきて頂戴」
アリシアさんに先導されて辿り着いたのは工房。
どうやら、やっぱり銃製造の依頼は切り離せないわけだ。
「トワ。久しぶりで悪いのだけど、レシピは渡すからここでショットガンの作成を手伝ってもらえるかしら。ショートバレルもロングバレルも最低50丁ずつで構わないわ。作ってもらえる分には何丁でも構わないけど」
〈Wクエスト『ショットガンの製造』を開始します。このクエストが達成された時点より、ショットガンの流通が行われます〉
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Wクエスト『ショットガンの製造』
クエスト目標:
王都のガンナーギルドにてショートバレルショットガンの製造を行う 0/10
王都のガンナーギルドにてロングバレルショットガンの製造を行う 0/10
クエスト報酬:
SP10
ショットガンの流通開始
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「わかりました、自分でできる分はやっていきますよ」
「ええ、お願いね。できる分だけで構わないからよろしく」
工房を出て行くアリシアさんを見送り、早速もらったレシピに目を通す。
ショットガンは、専用の銃身にライフルと共用のグリップ、それから魔石を3つ使うらしい。
かなり大がかりな武器みたいだな。
とはいえ、現在、この工房に集められている素材はヒグマレベルの魔石や魔鉄製の銃身のみ。
そこまではっちゃけた装備は作れないだろうし、地道に作成個数を稼いでいくか。
……
…………
………………
『お兄ちゃん、今どこで油を売ってるの?』
「うん、ハルか。どうかしたのか?」
『どうかしたかじゃないよ。もうすぐご飯支度が終わるのに起きてこないから呼びに来たんだよ』
「あー、済まない、もうそんな時間か。わかった。今やってるイベントを終わらせたら、すぐにそっちに向かうよ」
『もう、頼むよ、お兄ちゃん』
気付かない間にそんなに時間が経っていたのか。
見てみたら周囲には完成したショットガンの山ができてるし。
……これ、どう見てもWクエスト1回分じゃないよな。
「済まない、そろそろ用事があるのでクエストを終了させたいんだが」
「あ、はい、わかりました。……はい、ショットガンを流通させるのに十分な在庫が確保できましたので大丈夫です。ギルドマスターのところへこれをお持ちください」
「うん、わかった。それじゃあ、また」
受け取った依頼票を持ってアリシアさんのいるギルドマスターの部屋へと到着、ノックをして入室許可をもらってから部屋に入る。
「……ひょっとして、もうショットガンの量産が終わったのかしら?」
「ええ、終わりましたよ。これが依頼票です」
「……確かに、終了しているみたいね。どうも、依頼量より多く作ってたみたいだけど」
「……まあ、部品があったので、多い分には困らないかなと」
「それは確かに困らないから助かるわ。……それじゃあ、報酬の『ショットガンのレシピセット』よ。ロングバレル、ショートバレル、両方のレシピが入っているから困ることはないでしょう」
「ありがとうございます。それでは確かにいただきました」
「ええ、それからショットガンの流通だけど、検査もあるから明日以降の販売になるわね」
「そこは構いませんが、普通に『ショットガンのレシピセット』を入手したい場合はどうすればいいんですか?」
「ショットガンは、まだまだ研究中の武器なのよね。だから、レシピを渡すのはギルドランク12以上のガンナーに限らせてもらうわ」
「つまり、ガンナーギルドのランク12以上であれば購入できると」
「ええ、そうなるわね。まあ、あなたにはクエストを依頼したけど、一般のガンナーには銃製造の依頼なんてこなせないからね」
「確かに、そうかもしれませんね。それでは、用事があるのでこの辺で失礼します」
「ああ、ちょっとまって。あなたのギルドランクを15に上げるから、その手続きだけしていって頂戴」
「……わかりました。書類に何かサインでもすればいいですか?」
「そうね……この書類にサインをして、前に渡していた短剣を返却してもらえるかしら。新しいものと交換になるから」
「わかりました。……これでいいですか」
「ええ、大丈夫よ。それで、こっちが新しい身分証の短剣ね。何か身分を証明する必要があるときに使うといいわ」
「ありがとうございます。時間がありませんので、それでは、また」
「ええ、時間があったらショットガンの製造にきて頂戴」
〈Wクエスト『ショットガンの製造』をクリアしました。報酬としてSP10を手に入れました〉
《とあるプレイヤーが条件を満たしました。これより装備『ショットガン』の流通が開始されます。なお、街により販売開始までの日数が異なります》
さて、いつものアナウンスが流れた事だし、クエストは完全クリアだろう。
急いでクランホーム……いや、誰かと遭遇する可能性を考えたらジパンの個人ホームの方がいいか。
そっちにいってログアウト、晩ご飯を食べないとな。
遥華も待たせているみたいだし、急いでログアウトしよう。
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