第94話 不具合
僕の疑問に対してらいかは、システムウィンドウを呼び出して、何かを操作しながら答えた。
「他の人達はどうなってるんだろう。分からないんだ。何か不具合が生じたのかも……。あらかじめ用意してもったデータに連絡先が載ってるんだけど、反応が返ってこないの」
もしかしてログインできなかったとか?
嘘でしょ。
ちょっとやめてよそれ、一番最悪なパターンなんだけど。
要救助者の家族だけ放り込んで、自分達はログインできませんでしたって、被害増やしてるようなもんじゃん。
前代未聞の出来事という事もあり、対処に手間取ってしまうのは同情するが、それで済ませられるような状況ではない。
けど、そんな僕と違ってシロナは前向きのようだ。
「私はそういう話には詳しくないんですけど、バグや不具合ならなおるかもしれないんですよね。もう少し待ってみて、また連絡してみましょう」
そういってらいかを励ましている。
「じゃあ、らいかがあんな場所に出現したのも不具合?」
「たぶん」
「ライフポイントは機能してる? ひょっとして全損すると僕等みたいになるって事は……」
「想像通りだよ、お兄ちゃん。その部分はまったく手がだせなかったみたい」
まじで!?
「はた迷惑なやつらだな。人の妹を危険地帯に放り込むなよ」
こんな作戦を立てた当の本人たちはログインしてるかどうか分からず、サポートしなくちゃいけないらいか達をほったらかしとか、怒らない方がおかしい。
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