第70話 迷惑な人達



 朝ごはんを食べた後は、気が乗らない方面だったけど、ちょっと頭脳労働。


 互いの用事がない日だったら、シロナのレベリングに付き合う事にしている。

 彼女がどこで勝手にいなくなろうが、どこで勝手に死んでようが自己責任だと思うし、良い年なんだから自分の行動には責任もってもらわないといけないって思うけど……。


 さすがに昨日今日でいなくなられると寝覚めが悪いから、僕にできる範囲でレベルアップのアドバイスをしたりしている。


 家から出たくないから、進捗聞いてやり方とかに問題が無さそうだったら、適切なアドバイスをした後に引きこもり生活に戻るんだけど、本日はそうもいかないようだった。


 今日はいつもと違った。


「という事で、ちょっと困った事になってしまったんです」


 朝食後にシロナから聞かされて事情は、ちょっと厄介な物。


 シロナでも安全にレベリングができそうなフィールドをいくつか教えたんだけど、そのフィールドが無法者達に占拠されてしまったらしい。


 幸い、PKするとかいうような野蛮人ではなかったものの、シロナはそこから追い払われてしまったようだ。


 君、のけ者にされるとか追い払われるとか、つくづくそういう事に縁があるよね。


 そういう星の元にでも生まれて来たの?

 って、それは言い過ぎか。

 いや、言ってないからセーフって事で。


「せっかくニルバさんに教えてもらった場所なのに、すいません」

「謝るくらいなら、もうちょっと相手に文句言ったりして、粘れないの?」

「私だって、一応抗議はしたんですよ。でも、ちょっと立て続けにまくしたてられて何を言われているのか理解できないでいるうちに、いつの間にか……」


 ああ、そういう連中って、勢いで人を押してる所あるもんね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る