第5章
第41話 イベント秒読み
いま、夜の11時半くらいかな。
水晶草を忘れずに回収した後、ダンジョンを後にして、時間をかけて町に戻ったら、深夜だというのに水属性のモンスターが大増殖していた。
雨の日イベントは、事前に仕入れていた情報通りに発生している。
町の中には基本的にモンスターは入ってこれないけれど、イベント期間だと例外がある。
町の各所に気配のあるモンスター達を見て、嫌な予感がしてきた。
この分だと、日付が変わった途端に混乱が起きそうだ。
それに、ここまで大規模なイベント、今まではなかったし。
人は経験のない状況に陥ると、普段は仕出かさないミスをやってしまう。
そう言う意味で言えば、もしかしたら結構ピンチなのかもしれない。
見た所、モンスター達は建物の中とかには入れないようになってるらしいから、無防備なプレイヤーが襲われる可能性は少ないだろうけど……。
宿代ケチって、そこらで寝てた奴の心配までは出来ないから、自分で何とかしてくれって言いたいよ、ほんと。
「ニルバさん、これは……?」
「あれ、知らない?」
困惑顔のシロナに、事情を説明してやる。
説明している間に、あの
雨の日イベントを知ったシロナは、そんな事があるのかという顔。
僕だって、直接見るまではちょっと半信半疑だったしね、気持ちは分からないでもない。ましてや今はデスゲームな状況であるわけだし。イベントにオッケー出した犯人の正気を疑うよ。ゲーム開始直前くらいの元から疑ってたけど。
でも、町に侵入してきた雑魚はまだ良い。
危ないのは他だ。
何でも、水龍が自分に近づいてきたモンスターを攻撃しはじめて、レベルアップしていってるんだとか。
この世界で強くなるのはプレイヤーだけじゃない。
モンスターもレベルアップができるから、やっかいなんだよな。
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