第3章
第21話 ウィークローネ
その昔、か弱いお姫様が住んでいた……とか言われている水の都ウィークローネ。
外にちょっと出ただけで倒れてしまう様な病弱なお姫様は、誰からも厄介者扱いさていたとかいないとか。
時を同じくして付近で暴れ龍が出て、暴れ回ってるって話が出たから、ちょうどいいから周りの人は、お姫様を生贄にして竜の怒りを鎮めようと考えたとさ。
けれど、哀れなお姫様は幸いな事に、供物として捧らえた竜に気に入られ、それからは幸せな人生を送ったらしい。
水の都にはそんな昔話がある。
うろ覚えだが。
まあ、仮想世界のそれだから、実際にあったわけじゃなくてシナリオライターの誰かさんが作ったであろう話なんだろうけど。
そんな設定が反映されているものだから、竜素材の武器の取引とかも結構多くて、有名な水龍、炎龍、雷龍、氷龍以外のモブ龍なんかを討伐して得た素材なんかがよくあったりする。
というかそんな店の一つが目の前にあって、今まさに売れたとこだった。
あ、良い値段だったのに。
「何で、こんなとこまで来ちゃったかな」
ぼやくが来たもんはしょうがない。
目の前には水の町。
竜の被害に遭っているとか言われるあの町。
清らかな水が流れる水路が、町の隅々まで張り巡らされている町は、見た目にはただ平穏で綺麗で、見栄えのい町だ。
そう、来てしまったのだ。
ひきこもってたかったのに
何やってるんだよ、本当に。
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