第11話 知り合い



「あれー? シロナじゃなーい、まだ生きてたんだぁ。うっそぉー」


 少々の名残を残しつつ、ここでお別れと言った場面で、横から無遠慮な声をかけられた。


 嫌々そちらの方を向くと、派手な女性がそこには立っていた。


 清楚な感じのするシロナとはまるで正反対だ。


「平原に置き去りにしたのに、町まで帰って来るなんて意外としぶとーい」


 もしかして、シロナ。

 パーティーメンバーに置いてかれたのか。


 会話を聞くに、どうもそんな感じがする。

 とすると、この何から何までシロナと正反対そうな女の人って、シロナとパーティ組んでたのか。


「あ、置き去りだなんて口が滑っちゃった。ちょーっと、向こうに追い払ってる間に、シロナの事忘れてその場を離れちゃってただけだった。きゃははっ」


 煩いな。

 何だか笑い声が勘にさわるし、すごい耳障りだ。


 何が面白いのか笑い声を上げるその女性。

 それで、彼女に声をかけられた当人のシロナはというと、俯いて顔を伏せていた。


「あのさ……君、一体誰なわけ。いきなり話しかけられて一方的に喋られても困るんだけど」

「あはっ、ごめんなさーい。シロナっち見かけたら、思わぬ再会に嬉しくなっちゃってー。もしかしてシロナの彼氏さんか何かー?」

「そんなわけないだろ」


 イラっとしたから、つい言葉が悪くなった。

 でも相手は、こちらのそんな変化などさして気に留めなかったようだ。


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