試行される詩片のための集成
トーヤ
三角錐
柔らかく深きところにぶら下がる君の歯が
僕の脈打つ赤をそっとはんでゆく
滅びゆく惰行に身をまかせ
堕落した心臓の鼓笛隊
僕の心は
それは両肩から回された、君の白い腕
出口は狭く、底の広い
僕はねむる君に浮かぶ笑みに目を見張る
その頬を滑り落ちる
ゆっくりと僕を
君のその無邪気な柔らかさが
そこに沈む無数の
夜陰にまとめる焦点に
すがりついた縄の一切れも
フィラメントのように弱弱しく
燃え尽きた
目をつむれ
つむれ、つむれ
女よ、つむれ
念じつつ
僕は横たえた体を石のように固くする
走馬燈はマッチのように燃え尽き
ねじ曲がった黒炭は
からすの羽のように光っている
君の瞼の重くふさがるとき
僕の沈む
君の眠りの上を
そのふくよかな安息を包み込む
目をつむれ
つむれ、つむれ
女よ、つむれ
この
沈殿する泥濘
いつ果てから顔を出すともしれぬ
あの恐ろしい陽射しのいななきにおびえながら
瞼の切り取られた
夜陰に涙する
僕の
影を引き起こす
君は幸せのままでいよ
僕がおののくから
君のふくよかな眠りの傍らで
目をつむれ
つむれ、つむれ
女よ、つむれ
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