第二章「拝啓、異世界の日常」
第9話「拝啓、とある朝の出来事。ポカポカ湯気~魅惑感じる彼女の笑顔」
アミュのベットの下に敷いている赤いジュータンに、妙に気になり寝転がっていた。
僕は、背中をこすりつけながら待っていると、奥の部屋に居たアミュが出てきた。
お風呂上りなのだろうか、ポカポカと湯気がアミュの身体から立っていた。首には白いふわふわなタオルをかけていて、背中まである金色の長い髪を拭いている。
「ああ、ポニーテール姿も最高ですが、髪を下ろしている姿も最高です。うん、一言でいえば天使、大天使様だ!」
なんだろう、このときめきは。僕は本当の気持ちに素直になろう。最初見た時から分かってたんだ。ああ、好きって気持ちを大事にしようと思う。僕はあなたの髪が好きだ。金髪なのに黒髪のような髪質、サラサラ、素晴らしい。背中に羽根が生えたかのような神々しさ。本当に素晴らしい。
僕はアミュに見惚れていると、アミュは僕の顔に近づいて、顔を斜めに傾けた。
「ん?どうしたの?ドラコ?私の顔に何か付いているの?」
「い、いや、あなたの顔が美しすぎて、ああ、尊いです。はい」
赤面している事だろう。目線がアミュさんを見れない。そんなに近づかないで。掌をアミュさんに向けて、ハタハタとしている。まるで思春期真っただ中って言ったらいいだろうか。仕方ないだろう、目の前に天使みたいな彼女がそこに居るのだから。
「…………」
アミュは頭に?マークが浮かんでいるかのように笑みを浮かべながら、無言で僕を見下ろしていた。
ただ、あの整った顔もそうだけど、全体から醸し出している可愛い雰囲気。ふと一目見ただけで美人だとわかってしまう。
もし、僕が今人間の男性だったのであれば、間違いが起こっていたかもしれない。そうなる前に出会えなかったかもだけど。
僕自身、可愛いと美人はかけ離れた対極にあるもんだと思っていた。普通は可愛いか、美人かだろ。人間、二兎を追う者は一兎をも得ずって言うだろう。だけど、不思議なもんだよな、目の前にいる天使みたいな女性は両方の美貌を持っているんだぜ。いやー。これは犯罪だ。ましてけしからん。
僕はアミュさんを見つめながら、ついにやけてしまう。
アミュはベット近くにあるタンスから、ピカピカの銀の鎧を出してきた。肌着の上から手慣れた手つきで鎧を着ていく。
見惚れているうちに、着々と着替えて、あっという間に剣士のような姿になった。
「ふふ、ドラコ、どうかな?似合うかな?実は私は剣士(ナイト)なんだよ」
「似合います。もへへへへ。素晴らしいです」
まるでRPGに出てきそうな女剣士だ。銀ピカの鎧からかすかに見える肌着がなおエロさを醸し出している。
隠し効果だろうか。豊潤な身体はあらゆる装備で隠されてても分かる。分かってしまうものなのだ。一言、ご馳走様とだけ言っておこう。
僕はニコリと笑みを浮かべながら、上へ少しジャンプした。着地した時に、みしりと音がしたのは気にしないでいよう。
「そうかそうか。君は素直だな。そんなに喜んでくれるなんて」
アミュはニコリと笑みを浮かべながら、僕の目の前でしゃがみ、頭を撫でた。
「あわわ、そんあ、撫でてくれるだなんて、照れます」
僕の顔を真っ赤になっているだろう。なんだか顔周辺が熱い。それに顔が近いですって、アミュさん。
僕はぺたんとお尻を床に落として、アミュの顔を見上げた。
「ふふ、可愛い奴だな、君は、子ドラゴンって反応が豊かで面白い。言葉が分かればいいんだけどね」
「僕もです。喋れるならば、アミュさんとおしゃべりしたいです。これでも一生懸命喋っているつもりですよ」
お腹を押さえながら下をうつむいた。それを見たアミュは僕の頭を一撫でして、
「お腹空いているのか、やはり量が少なかったのかな?出かける前にお皿に置いておくよ」
アミュはキッチンの方に向かい、残っていたパンを僕が今日食べたお皿に三個ほど盛りつけ、床に置いた。その隣に水の入ったお皿も同様に置いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます