珈琲に溶ける命
冷たくて 固くて
まるでマネキン
感触の恐怖はこの手から全身を駆けめぐる
死という液体を血に混ぜられた瞬間
人は最後に死を残すと知った
精進料理とは何だったか
ローストビーフに滲む血
味はしなかった
ただ 肉を噛む感触に命を意識しなければならなかった
感触は何もない口に何度もよみがえる
わたしは何度も触れた 死と命
己が命を喰らう者であることに疲れてしまった
だから この命を溶かしたくて
渇いていない喉に
熱くてほろ苦い珈琲を流し込む
血が珈琲になればいいと祈りながら
涙のしょっぱさと一緒に何度も飲み込んだ
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