第7章 魔石集め

#36 子供?


 アトゥムスの為に魔剣を作ることになったので、どのようなものにするのかも考えなければいけないが、剣を作る為の材料をまずは集めなければいけない。


■■■


 鉱石は買うとしても、魔石の質に拘るとそれこそ商会が潰れかねないのでどうしようかと話すと『自分で手に入れれば良いんだよ!』とアトゥムスが言いだす。


「ちょっと待ってください。確かに自分で手に入れられるならタダですし理想かもしれないですけど僕は戦えないですよ?」


「まぁその辺は任せてもらえれば大丈夫だけど、強い魔物を倒しに行くなら君を一人にしておくのは怖いからあと一人は欲しいかな……」


 アトゥムスがそう言い、辺りをキョロキョロと見渡したと思ったらどこかに駆け出していった。


 しばらく待っていると、アトゥムスが誰かの襟を掴んでむりやり連れてくる。


「ちょっとアトゥムスさん、いい加減手を離してくれませんか?」


「いや離したら逃げ出すだろお前?」


「当たり前じゃないですか! 何処かに消えてたと思ったらいきなり現れて、説明も無しで連れてこられるなんて嫌な予感しかしないじゃないですか!」


 アトゥムスが連れてきたのはボサボサな白髪をした小柄な女の子だ。


「アトゥムスさんその子は誰ですか?」


「ああ、この子はライナで私の教え子だよ。今は子供騎士団に所属してるんだけど、魔物の討伐に連れていこうと思って拉致ってきた」


 本当に何も聞いていなかったらしくライナが驚く。


「ちょっ、初めて聞いたんですけど……というか私これから訓練なんですよ!?」


「大丈夫大丈夫、そんなのは後で報告しとけばいいから。それに君も経験を積みたいでしょ?」


「ううー、後で怒られるのは私なんですからね……」


「まぁまぁ後で口添えはしてあげるから」


「まぁどうせ断っても連れていかれるんでしょ。分かりましたよ、それでそちらの方は誰なんですか?」


「ああ紹介が遅れたね、彼はハヤトさんだよ。私の剣を作ってくれるとことになってくれる、ラーカス商会の商人?」


 ハヤトの立場がいまいち定まっていないのでアトゥムスが聞いてくる。


「ええ商人ですけど、小さな商会ですから鍛冶師や錬金術師とか薬師とかなんでもやってます」


「そっか、なら面倒だから商人でいいか」


「そんなに幾つもの作製スキルを持ってるなんて凄いですね。そこまで兼任している人がいるなんて初めて聞きました」


「うーん、まぁ詳しくは言えないけど自分の場合は特殊だからね」


「そうですか……まぁ誰しも言えないことはありますからね」


「そうそう、ライナもこの前なんてな……」


「わーわー! ちょっアトゥムスさんやめてください!」


 こうしてライナを加えた3人で魔物を倒しに行って、魔剣を作るために重要な素材となる魔石を入手しに行くことになった。

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