新てっぺん4(シノギ)

伊藤勇

第1話

勇にまた、忙しい毎日が始まった遊び人のヤクザ者には暇な時間はないのだ。ジリリリーンジリリリーン『御苦労様です、兄貴この前の品物の残りの1千80万です、今から届けます。』『おぅごくろうさん、半分でいいよ。』本当に遊んでる遊び人は少ないイイ暮らしをするにはシノギに精を出さなければ遊んでイイ暮らしは出来ない。上部組織の本部仕事で今度は、20キロ扱う事になり勇でも簡単に捌けないから彼方此方と、営業を掛けた、単価は、変わらず高いが、おでこ(警察)の締め付けが厳しい昨今仕方ない、本家から今度は、1億預り西に品物を、受け取りに行くのだがボストンバックに五千万ずつ分けて持たせた。メンバーは変わらずだ。舎弟の光信と若い者二人。営業先は六本木と歌舞伎町と栃木県なのだが、これには光信だけ同行させた栃木県に本部を置く某会系○○会○○一家○○○組組長と連絡をとり 是非ということなので、打合せをして大まかの捌け口は決まった。勇は<なんだ意外にあっさり決まったな>と安堵した。市場はキロ一千万以上が相場だ、どの組織もネタ(薬)が入らず困っていたのだキロ一千万に百万から2百万ずつ乗せての取引だ此れでも勇は良心的である、市場はもっと高い、勇の場合、五キロ以内の客は2百万乗せてる。キロ一千万以上が今の相場だ此処数年で値もとてつもないくらい上がったがパクられた時の実刑もえらい上がった、10キロで無期刑だ、それなりに値を上げるしかない 問屋稼業も大変である。イケイケの、勇も考える若い者を長期に行かせたくない。然し稼業踏んでれば仕方ない面もある、ジギリを掛けさせたい、組ごと、抗争で、懲役に行かせたい然し今の時代シノギで体を掛けるのは当たり前のご時世だ。勇の苦悩でもある。ヤクザ者やってれば思わぬことでパクられることは多々ある。懲役を、さぶがって(怖がって)たらヤクザ者はつとまらない。全て捌け2億3千万純利1億3千万『光信、本家行くぞ。』『はい』そして横浜の本家に上がりを届けに行き、『兄貴、御苦労様です。上がりです、元金含め、2億3千万です。』『ごくろうさん元金引いた半分が勇の取り分や。』『兄貴、有難うございます、兄貴、これだけは言っておきますが相場は変わりますから、毎回この金額とは限りません。他所の問屋が潰れれば値は上がりますし。』『解っとるで、勇に任せてあるんや。相場の変動の激しい時は寝かしたらどうや。』『兄貴それはダメです、リスクが大き過ぎます。人の事だと思って勝手な事言わないで下さい。』『冗談や、勇のすきなようにやりぃや。』『では兄貴戴きます、失礼します。』『ごくろうさん、また、頼むで。』『御苦労様でした。』『光信帰るぞ姐さんには日を改めて来るから。』車に乗り込み、『兄貴八王子でいいんですか。』『おぅ帰るぞ。家頼む。』内妻のみゆきに電話する、トゥルル~トゥルル~『帰る、光信も一緒だから。』『わかりました。』みゆきに連絡入れて、家路に着いたピンポーン『お帰り』『ただ今。光信、入れ。』『みゆき、コーヒーと封筒ね。』『光信、帯び切って、50万を6つ作ってな。光信は5つな500万でいいだろ。』『兄貴前の分で五百頂いてます。』『じゃ要らないの、要るだろ!今回は今回だから。』『有難うございます戴きます。』『明日横浜な、何時もの時間な、今日はもういいよ、ごくろうさん。』『御苦労様でした。』

ジリリリーンジリリリーン、舎弟の高広からベルがなり、『兄貴、御苦労様です。』『ごくろうさん、なに、』『兄貴相談があります。時間ありますか。』『なに、金か?時間はあるよ、今から来いよ。』『はいわかりました、今からお邪魔します。30分以内に行きます。』 

『みゆき、今から高広が来るから、少し出てくる。』『うんわかった。』相談があるらしいからなんだかわからないけど、話がすんだら出掛けるよ。その前に渡しとくね生活費と小遣い。『うん有難う。』『よぉーし今日はみゆきちゃんの奢りで呑みに行きますか?』『えっだって勇ちゃん出掛けるんでしょ。』『じゃ今度にするか。』

ピンポーン。  いいよ俺出る。 兄貴御苦労様です。『おぅごくろうさん、高広入れ。』『みゆきお茶。』『なんだ、相談って。』『兄貴実はシノギの、ことなんです。』『だから何だよ、店か?店でも出すのか。』『違います、まずは、話聞いて下さい。』『だから何だよ早くいえよ。』『兄貴特殊詐欺知ってますよね。』『高広オメー馬鹿にしてんのか、反対、反対、今馬鹿にしたから俺は、反対。』『そんなぁ…兄貴、馬鹿になんかしてませんよ。』『俺はな基本何をやっても構わない主義だけど、オメー何処まで準備してんだ?部屋と、電話くらい用意してんのか?』『兄貴、横取りですよギャングです。』シノギの内容はオレオレ詐欺団のネットで募集している受け子(受け取り役)になりすましての、横取りだ。『何だ?横取りって、何をやっても構わないけどパクられたら(逮捕されたら)てめえ(自分)持ちだぞ。弁護士付けねーぞ。全てオメーの器量でできるなら、いいよ。』『高広お前もっと安定したシノギ、考えてみろ。』

『はい、そうは思うんですけど。』

 『よしっ、話は終わりだな、呑み行くべ。』『みゆき、チョット行って来る赤提灯だけだから遅くならないよ。』そして、いつもの、赤提灯に出掛け、

『今日は一軒な、明日本家だからよ。店に着き、いらっしゃいませ。勇は、 タンタカタンのロックと焼き鳥塩おまかせ20本ね、相変わらず大食いの勇である。

 『高広、お前もな人脈を、開拓しな人脈はな、宝だぞ。』『はい、わかりました。』『お前最近、女はよ、変わらず、あっちこっちか?1人ウチに居ないと困るだろ。』

翌日、光信の運転で横浜の本家に向かい車中『昨日高広が、シノギ、始めるって来たぞ。』『何のシノギですか。』『ギャングだよ、『オレオレ詐欺団の』受け子になりすましてそれをギャングするらしい。(笑)高広らしいっていえばらしいけどな。』横浜の本家に着き、『光信、姐さんへのみやげ持ってきてくれ。』呼鈴をピンポーン鳴らし勝手口から入り、部屋住み達が、伯父貴御苦労様です。勇はごくろうさんと返礼し、兄貴は、と尋ね。  リビングです。

『兄貴おはようございます。』と両手をついて挨拶した。一緒の光信も両手ついて『会長おはようございます。』と挨拶した。

『兄貴次のシノギも予定通りで今の処変更ありません。』『わかった、次も頼むで。』『はい。』『兄貴、チョット、事務所に顔出して来ます、若頭に話があるんで。』『わかった。行って来いや。』光信、事務所行くぞ。

『姐さん少ないですけど気持ちです。』また一千万を小遣いに渡した。『勇さんいつも悪いわね、有難うございます。』事務所に着くと、 御苦労様ですの挨拶の洗礼を受け…ごくろうさんですと返礼して。『若頭』『次の兄貴との、本部当番(上部組織)変わらずですね。』『はい予定通りです。』『わかりました、念の為の、確認です。じゃ今日の処は帰ります、何かありましたら、連絡下さい。』『御苦労様でした。』

『ごくろうさんでした。』

『光信、若い者と赤提灯行ってろよ、7時でいいよ、若い奴らも配当待ってるだろ。』『はいわかりました。』舎弟の高広から電話。ジリリリーンジリリリーン『はい何?。』『御苦労様です高広です、兄貴時間ありますか。』『今本家の帰りだぜ、何だよ急用か、1時間後にウチ来いよ。』『はいわかりました。』『兄貴どうしたんですかね。』『どうせ、シノギの話だろ、アイツ俺をギャングの一員にしたいんじゃねーだろうな!(笑)普段は電話1つ寄越さない野郎が2日続けて連絡寄越すなんてよ、おかしいだろ。』『兄貴どうしたんですかね。』トゥルル~トゥルル~内妻のみゆきに『帰るね。』ジリリリーンジリリリーン『兄貴~今何処』『兄貴って呼ぶなっつってんだろ、何だよ。』自称妹分のミキだ。『兄貴ネタ(覚せい剤)ある?』『ないよ、今横浜の本家の帰りだもん。』

『兄貴~、入らないですか?』

『俺今抜いてんだよ、どれだけ欲しいの?』

『ワンジー(1g)でいいんですけど、何とかならないですか?』

『ミキ、今、忙しいから、じゃね。』勇の家に着き、『じゃ7時な。』『はいわかりました、兄貴、御苦労様でした。』『ごくろうさん。』

ピンポーン『ただいま、今から、高広が来るから、あと、7時に待ち合わせしてるから、ヨロシク。』『お帰り、ふーん、じゃ、ご飯要らないね。((怒))』『うん、ゴメンね』ジリリリーンジリリリーンまたミキ

からである『兄貴~、今、平気、』『ダメ、忙しい、じゃな。(笑)』本当に勝手な女である。 ジリリリーンジリリリーン高広からである『はい』『兄貴御苦労様です、今下です』『来いよ。』ピンポーン出て、高広だから『姐さんお疲れ様です。』『お疲れ様です。どうぞ。』『兄貴、御苦労様です。』

『ごくろうさん、どうした?2日続けて。』『兄貴、昨日の話、成功しました。些少ですが、持って来ました。』『そうか幾らになったんだ。それで何人くらい動かしたんだ。』

『はい2千万になりました、人は受け子とガードで10人です』

『そうか、続けるなら気をぬくな、』『此れから光信達と呑むけど来るか。』『兄貴スミマセン、まだ配当、配ってないので。』  『わかった。』高広は五百万持ってきた。『高広、要らねーよ、お前から貰うと、後が怖いからよ。』『兄貴~そんな事言わないで受け取って下さい。』『わかった、貰うぞ。』舎弟の高広は、勇から、金を、引っ張る事はあるが、シノギが下手な奴なので、持って来る事は、殆どない

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