【番外】ツールとしての一太郎、みたいな

 同じ作品を複数の小説投稿サイトで公開しようとすると、まず問題になるのがルビなど記述方法の違いですね。ここでも度々言及していますが、簡単にまとめてみます。なお、パイプとは、半角または全角の縦線「|」のことです。



       | ルビ(ふりがな) | 傍点

-----------------+----------------------+---------------

なろう    |パイプ+《》/() | 同左 ※1

カクヨム   |パイプ+《》※2  | 二重《》

マグネット! |パイプ+《》   | 同左 ※1

ノベルバ   |パイプ+()※3   | 非対応

LINEノベル  |パイプ+《》※2   | 二重《》

ノベルアップ |パイプ+《》※2  | 同左 ※1


※1

「なろう」「ノベルアップ」では自動割付が行われないので、一文字ずつ傍点を設定する必要がありますが、「マグネット!」では自動割付が行われるのでルビと同じように記述できます。


※2

単語が漢字のみの場合、パイプ記号なしでもルビと判断します。

例:漢字かんじにルビを振る 

「ノベルアップ+」では、《》の代わりに()を使うこともできます。


※3

「ノベルバ」公式のヘルプでは、「半角パイプ記号と()の組み合わせ」となっていますが、実際には全角パイプ文字と《》の組み合わせでもルビは表示されます。



 とまぁ、似ているようで微妙に違いがある訳で、複数サイトに投稿する時にはひとつひとつ確認する作業も大変になります。このエッセイは「なろう」「カクヨム」「マグネット!」「ノベルバ」と計四サイトに投稿しているのですが、できるだけルビや傍点を使わないようにしています。それでも、同時に投稿するのはこれが限界かなぁ。


 斯様かようにして、面倒な複数サイト投稿ですが、ジャストシステムのワードプロセッサーソフトウェア「一太郎」には、これをサポートしてくれる機能があります。


 一太郎の機能を使って、文章を作成する際ルビや傍点は、機能を使って設定します。ルビは[文書編集]→[ふりがな]で、傍点は[フォント]→[傍点]で設定できます。文書を作成したら、[ファイル]→[アウトプットナビ]を選択します。アウトプットナビの画面が表示されたら、「小説投稿」を選択します。右のメニューから投稿するサイトのルールに合ったものを選択し、[テキスト保存]ボタンをクリックすれば、投稿用のテキストサイトが出力されます。出力されたテキストファイルをテキストエディタなどを使って開けば、投稿の準備ができます。

 あらかじめ投稿したい部分を選択しておけば、[選択範囲をコピー]ボタンでクリップボードにコピーされるので、各サイトの本文欄にペーストするだけです。


 ふだん一太郎以外のツールを使っていると、入力やカーソルの動きに違和感を感じるかも知れませんが、文書校正機能はWordより柔軟だと思います。ちなみに私が普段使っているのは、秀まるお氏の「秀丸エディタ」とWordです。一太郎もMS-DOS時代から使っていますが、頻度は高くありません。

 わざわざ一太郎を購入する必要はありませんが、ツールを探しているなら検討してもいいと思いますよ。


※なお、これは「一太郎 Ver.29」での操作であり、最新のバージョンでは操作方法が変更されている場合があります。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る