海の底から空を見ても君しか見えない

海の底から空を見ても君しか見えない。


濁っている中に光がチラチラ。

多分生まれた時に見る景色と死ぬ時に見る景色は一緒で、おそらくこんな感じ。


思うほど綺麗でもなく、特殊でもない。

普通の光景。

しかし体が浮くような場所。

二度しか見れない風景。

ああ、愛しいってこういうことだろう。


海の底から空を見るなんて馬鹿なことかい?

海の底にいるんだから下を見ろって?

人って何処にいても

空を見たい生き物なんだよ、きっと。


空は憧れるにはちょうど良い。

空は手を伸ばすにはあまりに遠い。

空は小馬鹿にするには偉大過ぎる。

夢も同じような感じさ。

馬鹿にされないほど高いところを見る。

そうすると生きてるってなるさ。


だがあまりにも安直に動いてしまえば

空じゃなくて深海の破片に混ざってしまう

この僕のように

あの子のように


でも海の底のかけらの一部になっても

それでも空には憧れるんだなぁ・・

だから今日も空を見るのさ、僕はね。


海の底から空を見ても君しか見えない。

その君っていうのは勿論自分のことさ。

世の中の全ては自問自答。


京都の紅葉に包まれても

東京の夜景を浮かべる

そんな君が屈折して見えたりしないかな?



なんてね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る