第七章 譜面
第七章 譜面
気が付くと朝だった。
「ひどいもんだったな。」
蘭は、ポツンと言った。
「そうだな。本当にかわいそうだ。教授、せめて、沢井が酷いという発言は、撤回してやってくれませんか。」
水穂がそう言っても懍は何か考えていた。
「とりあえず、杉ちゃんの空き部屋で眠っているが、病院が開いたら連れて行くほうがいいかもな。癲癇というと、何科へ連れて行けばいいんだか。」
「僕も知らないよ。もう少ししたら、池本クリニックで見てもらおう。まあ、幸い小春さんが、一度卒倒したのを目撃してくれているから、詳しく話してくれるとは思う。しかし、癲癇で卒倒する例は初めて見たよ。」
「いいえ、蘭さんも水穂さんも、勘違いしていますね。癲癇は脳波を測定すれば診断が付きますが、彼の場合はそうではないと思います。」
懍は、外を眺めながら、静かに言った。
「おそらく、癲癇とはまた違うでしょう。脳が一時的に虚血状態になれば、癲癇と同様に卒倒することはあります。逆を言えば、癲癇と同様に卒倒する疾患はいくらでもあるのです。彼は、僕が脈をとったとき、癲癇にはないかなりの徐脈でしたからね。」
「徐脈。」
「ああ、脈がかなり遅くなっているという事ですか。」
蘭と水穂は顔を見合わせた。
「はい、癲癇では、脳波に異常が現れますが、徐脈になることはまずありません。それに、もう一つ決定的な証拠がある。右手の薬指と、左手の食指、中指にひょうそが見られます。」
「ひょうそ?血豆ではなくて?」
「はい、蘭さん。血豆に見えますが、おそらくそれが化膿したのかもしれませんね。」
「しかし、ひょうそにかかるというきっかけはあるのでしょうか。僕も、ピアノの練習で時折指がひょうそにかかったことがありますが、いずれもすぐに治りましたよ。」
確かに水穂がそういうのだから、大して難しい疾患でもない。
「でも、なんでまた特定の指だけがかかるんだろうね。」
「たぶんきっと、激しい練習を、長時間やっていたのでしょうね。おそらく絃を押したときに発生したのだと思います。ひょうそにかかっても、練習を休む余裕さえもなかったのでしょう。それが元凶だと思いますよ。おそらくそこから蜂窩織炎などに移行したのかもしれないですよね。」
「しかし、病院で診てもらおうという気はなかったのかな。誰だって、辛い症状が出れば、治りたいだろうよ。」
蘭は、一般的なことを言ったが、
「なんとなくわかるけど、芸術に取りつかれると、そういうことはあまり考えなくなるんだよ。」
水穂は、同じ音楽家として、理解したようである。
「ですから、池本クリニックのような総合病院ではなくて、もっと専門性の高いところへ連れて行くべきでしょうね。行くとしたら、大学病院や、もしかしたら、敗血症にかかった可能性もあるので、血液に詳しいところでしょう。」
「そうですか、、、。」
水穂はがっくりと肩を落とした。
「そうなると悔しいでしょうね。一度でいいから、弾いてみたかったでしょうね、竹生島。」
「もう手に入らないというのがかわいそうだ。」
蘭も大きなため息をついた。
数時間後、小春の運転するレンタカーで、とりあえず、富士市内の中心部にある総合病院の血液内科に尋一を連れていった。手っ取り早く検査が行われたが、まずてんかんではないし、敗血症という診断もつかなかった。しかし安心している場合ではなく、リウマチに詳しい病院に行けと言われた。そこで改めて、小春が調べたやや離れたところにある、リウマチの専門医がいるという病院に、連れて行った。すぐに検査が行われ、熱帯雨林のある発展途上国ではよくあるが、日本では本当にわずかしか見られない、珍しい症例であると言われた。原因は細菌というわけではなく、細菌をきちんと退治しなかったために残ってしまった免疫の残骸が、健康な体を攻撃したために発生したという。すでに心膜に強度の炎症が見られ、これが卒倒の原因だと聞かされた。そして、いわゆるリウマチに特有の関節炎と日本舞踊によくあるような特徴的な歩行が現れてくるというが、そういう説明をされても、専門用語ばかりで、素人の小春はまるで理解できない。理解できたのは、とにかく絶対安静にして、様子を見るために即入院という事だけであった。しかし原因となる細菌に感染した経路が不明で、なぜ、彼がこのような症例を呈したのか、は、なかなかわからなかったが、医師たちの議論の末、手の指三本にあるひょうそをあまくみたことが原因という結論に至った。
そんなわけで、尋一はこの病院で療養生活を送ることになったが、医師たちが予言したとおり、ひざやひじに激痛が生じて、動かさなければだめといわれてもできなくなっていき、そのせいか、くねくねと踊るような歩きになってしまって、まっすぐに歩行できなくなっていった。卒倒することはないが、今まで獲得したものが失われるほうが、よほど苦痛である。杉三がウナギのかば焼きを持ってきたときは喜んで食べることはできたが、それ以外では次第に無気力になっていき、病院のベッドに接着剤でくっつけたように寝ている生活になった。
そうこうしているうちに、一年で最も過ごしにくい季節が本格的に始まった。三十五度を超える日も珍しくなかった。もはやエアコンを一日中つけっぱなしにしていなければ、生きていられない日も多くなった。
製鉄所では、水穂がエアコンの掃除をしていたが、時折、むうっとした暑さとほこりのために咳が出た。
「水穂さん、今日は暑いから、無理しないで横になって休みましょう。」
懍が、掃除をしている水穂に声をかけた。
「ああ、大丈夫ですよ。エアコンのそうじだけでもしておきますよ。」
と、いいつつ咳が出てしまう。
「ほら、言ってるそばから。また血が出たらどうするんです?」
「でもエアコンの掃除はどうするんです?」
「誰かほかのものにやらせればいいでしょう。」
そうしなければいけないなと思うほど、せき込んでいた。
「すみません。そうします。」
せき込みながら、脚立を降りて、はたきを急いで片付けた。懍は、咳をしながら部屋に戻っていく水穂を困った顔で見た。
数時間後、また原稿を執筆していると、玄関のドアを叩く音がして、
「ごめんください。」
という挨拶。懍は執筆していた万年筆を机に置いて、玄関の方へ移動した。玄関の戸を開けると、蘭がいた。
「すみません、水穂いますか。」
「水穂ですか?布団で寝てますけど。」
そこにいるのは蘭のみで杉三の姿はない。
「ちょっと出してもらうわけにはいかないでしょうか、教授。」
蘭の顔は真剣そのものである。何かわけがあるのだと、懍はすぐにわかった。
「動かすのは難しいと思いますので、必要最小限にしてくださいね。それさえ守っていただければ、お通しします。」
「わかりました。用が済んだら帰りますから。ちょっとお邪魔させてください。」
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
蘭は軽く一礼して、水穂が寝ている部屋に向かって行った。
水穂は、懍が言った通りせき込みながら布団で寝ていた。せき込むと出血こそはしなかったが、なかなか止まらなかった。
「おい、水穂。調子の悪い時に申し訳ないが、今日しか開いている日もないので、来させてもらった。悪いが相談に乗ってもらえないか。」
と、ふすまを叩く音と蘭の声がする。水穂はすぐに起き上がり、
「いいよ、入れ。」
というと、蘭は何の迷いもなしに、部屋に入ってきた。
「なんだ、お前が一人でこっちまで来るのは珍しいな。杉ちゃんは一緒ではなかったの?」
「ああ、今はあの鳥の世話に熱中している。とにかくこっちも、ぎーがーと鳴かれたら困るので。あんまり寂しがるとぎーがーと鳴きだして、時には一晩中鳴かれて、うるさくてたまらないんだよ。」
尋一が入院している間、もーさんは杉三の家にいることになったのである。しかし、オオハシという鳥は、ここまで甘えるのかというほど、人に甘えるものらしい。あの、グロテスクな体色からは想像もできないほど、人のそばにべったりくっいて離れないのだ。時には、投げられたボールを大きな嘴で拾い上げて持ってくることもある。そして、寂しかったら思いっきりでかい声でぎーがーと鳴く。尾長よりましだというが、果たして比べたらどうなるだろうか。
「そうか。まあ、尋一さんが、そこまでかわいがっていたということだと思うぞ。それより、相談というが、何の用だ。」
「ああ、実はな。この楽譜。」
蘭は、車いすのポケットから、竹生島の楽譜を取り出した。尋一が、絹代に習いに行ったときに持って行ったものである。
「これをさ、印刷屋にでも持って行って、再販してもらうわけにはいかないだろうか。」
「無理だな。」
水穂はすぐに答えた。
「なんでだ。だって、出版社は十年くらい前に廃業しているんじゃないの?それにこれ、手書きで、誰が書いたかもわからないんだし、作曲されたのは、江戸時代なんだろ?それなら、著作権には当たらないと思うけど。」
「いや、版権の問題もある。いくら廃業したといっても、十年ではまだ、無効にはならない。」
「だけどさ、これ、大昔の曲なんだから、著作権は既に失効しているはずでは?」
「まあねえ、頭で考えれば、そういう事もあるが、現実問題考えてみろ。今の今まで再版されていないのは、版権の問題があるからなんだよ。誰かが高額をだして、版権を買い取らないと、再販というのは個人的にはしてはいけないんだ。」
「だって、楽譜をコピーするとか、そういう事はよくあることでは?」
「それは、本当は違法なんだぜ。例えば、合唱団なんかで、コンダクターがメンバーに楽譜を配ることはあるが、それも本来はいけないことだ。だから全員原譜を買って持ち歩くんじゃないか。」
「なんでまた、そんなに面倒なんだろう。だって、そうでもしないと、竹生島という曲は忘れ去られるってこともあり得るだろ?」
「まあそうだな。誰かが版権を買ったとなれば別だが、今のところ目だった動きはない。」
「なんでだ。」
「それだけ山田流はもう忘れ去られる運命にあるという事だろう。竹生島だけではなく、山田の曲の八割以上が、忘れられる時を待っているようなものだ。」
「なんだ、誰も何とかしようとしないのか。」
「しないね。おそらく、やっても意味がないという答えを知っているからだろう。」
「なんだかな、、、。彼だけではなく山田流自体が二度と取り戻せない時代になっていくような気がする。」
「まあねえ。確かに貴重な楽譜だとは思うが、、、。」
水穂は、楽譜をぱらぱらとめくってみた。
「あれ、ちょっと待て。」
「どうしたんだよ。」
水穂は、楽譜に書かれている内容を少し口ずさんでみて、
「これ、調弦間違えてないか?」
思わず素っ頓狂に言った。
「調弦を間違えている?」
蘭が聞き返すと、
「そうだよ。これ、本来は雲井のはずで、半雲井というのは間違いだ。たぶん、この調弦で、四と九、あるいは三と八を合わせ爪、即ちオクターブとして弾いたら、合致しないだろう。そうなると歌の音も変わってくるはず。」
確かに、楽譜には調弦、半雲井調子と書いてある。
「どういう事だ?調弦のことはわからないが、、、。」
「これは致命的だよ。もっと早く知らせてやるべきだったな。まあ、人が書いたものだから、間違いということはあるが、これを正しいと信じ込んで演奏したら、八田絹代先生は確かに怒るだろう。そして沢井から来たとなれば、激怒しても仕方ないよ。」
「しかしなぜ、彼はそれを正しいと思ってしまったんだろうか。」
「それだけ博信堂がなくなっていて、入手できなかったんだろうな。この曲は、中能島でも出版されているはずだが、中能島の譜面は、家元によっては徹底的に嫌うひともいるからな。」
「なんだ、代用品があるのか。それならそっちを使えばいいじゃないか。こんなぼろぼろの楽譜じゃなくて。」
「そうなんだけど、絹代先生にとっては、中能島は異端系。例え内容が同じ曲であっても、表紙が違う楽譜を持って行っただけで、破門される例は結構ある。」
「ちょっと待ってくれよ。代用品があっても使わないの?」
「そうだよ。それで当たり前なのが邦楽だ。昔から、邦楽というものは、そういうものだ。」
「なんか、力が抜けてしまった。一つ希望が見えたと思ったら、ろうそくの火のように消えてしまった。」
蘭はがっくりと肩を落とした。
「これでは、お前のところに相談に行っても、何も意味がなかったな。」
「意味がないというか、すでにそうなっている。どこのお箏屋に行っても、竹生島なんてそんなものはないと怒鳴られるのがおちだ。おそらく彼も、足を棒にして捜し歩いたと思う。でも、どこへ行っても糠に釘で、仕方なく、手描きの竹生島を入手したんだろう。」
「しかし、これだけ困っているのになぜ誰も何とかしようとしないんだろうな。」
「それだけ、やりたいという人もいないんだろうよ。」
「で、やりたい人が名乗り出ても、その人が沢井の人間だと、激怒すると。」
「それだけたたき合いさ。まあ、教授が言った通り、沢井の音楽を聞いてみればわかるよ。確かに、あの曲は、免疫がないと、卒倒する人も出るだろうよ。なんせ、ショスタコーヴィチよりひどい音楽だから。沢井は、古典箏曲に親しんでいる人から、苦情が多数寄せられても平気だったと聞いている。太鼓のばちで箏を叩いたり、箏柱をどこかへ放り投げるようなパフォーマンスもざらにある。そんなもの、到底、美しいとは思えない。しかし、若い人は、それをかっこいいと思ってしまうのが問題なわけ。山田流にとって、宿敵になるのはそういうところだと思うよ。」
「そうか、、、。刺青もそうだが、箏曲も変な方へ行ってしまっているというわけか。日本の伝統はおかしくなったな。」
大きなため息が出た。
「しかし、お前がそんなこと言うなんて、どういう風の吹きまわしなんだ?音楽なんて何も知らないのに。つまるところ、彼も相当進んだというわけか。」
「まさしく!一度でいいからやらせてやりたいわけよ、竹生島。このままでは、一生弾けなくなってしまう。一度破壊された関節は二度と再生することはないと医者が言ってた。」
「お前の気持ちもわからないわけでもないが、人生は諦めなければだめなことも結構あるよ。」
水穂のその言葉は非常に重かった。でも、それこそ人間にとって究極の真実なのかもしれなかった。それができたらどんなに楽だろうと思われるが、それができなくて、破滅の道へ行ってしまうのは、個人の人間だけではなく、国家だって同じことを起こすし、今では地球規模でそれを考えないと、やっていけないのではないかと主張している人もいる。
「そうか、、、。35年というと、僕よりも10年以上若いことになるが、もうそんなに重たい宿命を背負うなんて、早すぎるもんじゃないか。」
「まあな。でも、意外にそういう人は、有名人でも結構いるんじゃないか。邦楽だけじゃなく、ヨーロッパの作曲家でもみんな同じさ。」
水穂はまた、手を口に当ててせき込んだ。少しばかりではあるが、指が汚れた。絹代にも、いい加減にあきらめろと言ってやりたいと蘭は思った。
駅の近くにある音楽教室では、小春がバイオリンの稽古をしていた。曲はメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調である。ある音大生が、アマチュアのオーケストラと一緒にこの曲をやるというので、教えてほしいと言ってきたのだ。小春の側から見れば、こんな大曲をやるにはまだ青二才という年齢であったが、アマチュアオーケストラが急激に増加し始めていて、ソリストをもとめる楽団が倍増していたから、仕方なく引き受けた。
でも、彼女はまるで下手で、音楽性などこれっぽっちもない学生だった。一昔前の音大生なら、ありえない話だけれど、少子化で大学が必死に生徒をほしがっている今、こういうやる気のない子も平気で音大に入れてしまうのが、小春の時代とは違うことだ。そして、ものが豊かで金が豊富にある時代だから、高級なものがすぐに手に入ってしまうのだ。
彼女は、第一楽章を弾き終えて、得意げな顔をした。
「うん、よくできているよ。じゃあ、来週から二楽章の稽古に入ろう。」
まるで下手でも、よくできていると言わなければならないのは、結構つらいものがあった。
「今日はここまで。じゃあ、二楽章をよく予習してきてね。」
「はい!わかりました。先生!」
やる気だけは十分にあるらしい。彼女は、急いでバイオリンをケースにしまい、楽譜をカバンの中に入れた。
「あれ、その楽譜、どこで買ったの?」
小春が思わず聞くほど、彼女の楽譜は超高級品だ。確かドイツからの輸入品である。小春が若かったころは、これを持っている人は一種のスタータスとみられる楽譜だった。
「ああ、メルカリです。」
「メルカリというお店が開店したの?高かったでしょう。値引きでもしてくれなけば、買えなかったでしょう?」
「いえ、1000円でした。メルカリだから、うんと安く買えるんです。先生は、メルカリ、知らないんですか?」
1000円!日本国内の楽譜だって、買えない値段だ。
「ど、どこの店?まさか、海賊版ではないでしょうね。」
「違いますよ。先生も時代遅れですね。メルカリというのは、スマホアプリのことで、いらないものをなんでも自由に売買できるアプリのことですよ。」
「あ、ああ、あれのことか。テレビで聞いたことあるわ。でも、服とかそういうものを売るものだと思っていて、楽譜を売るなんて、聞いたことなかった。」
「それがね、先生。楽譜も探してみれば、何でもあるんですよ。ピアノやバイオリンだけではなく、変わった楽器の楽譜が売っていることもよくあるんです。」
「例えば?」
「はい、変わったところでは、日本楽器の箏や三味線の楽譜も売っているようですよ。」
箏!ピンとくるものがあった。
「でも、どうやって探すの?」
「私の場合は、メンデルスゾーンバイオリン協奏曲楽譜と検索欄に入力して見つけました。」
「それで簡単に見つかるの?」
「運がよければですけどね。」
彼女は嬉しそうにそういった。
「まあ、他人の使っていたものですので、多少書き込みなどがされてる場合もありますが、それでも、高いお金を出すよりずっと楽です。」
「そうよねえ。」
思わず生返事をした。彼女はその楽譜をカバンの中にしまってしまった。全く、今時の若者は、そういうツールを平気で使いこなせてすごいなあと思った。同時に、ある考えを思いついた。
彼女を送り出して、小春もスタジオを引き払って自宅マンションに帰った。使い始めたばかりのスマートフォンを取り出して、ブラウザを開き、メルカリと入れてみる。そうすると、アプリのダウンロードサイトに行きついたので、小春は、それをインストールした。そして、アプリを開き、四苦八苦してアカウントを取得し、買い物ができる状態にすると、小春は、検索欄に、「箏、楽譜」と入れてみた。
たぶんないだろうけど、これが実現したら死んでもいい!それくらいの気持ちだった。
すると、出るわ出るわ、たくさんの古典箏曲の楽譜が、10冊とか15冊とかまとめられて、セット販売されている。値段も、1000円から2000円程度である。安いものでは、500円とかで買えるものもある。それらをじっと見つめてみると、「山田流箏曲楽譜竹生島」と書かれた茶色の表紙の本が目に付いた。思わずそれを拡大して、じっくり見ると、表紙の片隅に、「株式会社博信堂発行」としっかり書かれているではないか!
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