佐伯ちゃんの日常(新)
まっしろけっけ
プロローグ
第0話 「初めての出会い」
雨が降っている。周りの音が聞こえなくなるぐらい。俺は佇む。周りの目なんか気にせず。
*
「はぁ~~~~~~~~~っ……」
長いため息をつく。俺はさっき彼女に振られた。いや、見捨てられた、という表現のほうがあっているであろう。
「なんで……浮気なんかしたんだよ……」
「いつもはふざけてばっかりだったかもしれないけど、俺は…お前一筋だったのに…」
思い出すと悲しくなってくる。やめよう。昔の楽しかった思い出や悲しかったこと、様々な事を考えながら、雨の中歩いているとふと、川の近くにある黒いものが目にとまる。
「……?」
目を凝らしてよく見てみると人…のようだ。
「こんな雨の中傘もささずに何やってんだ……」
普段の俺なら気にもとめないはずなのに、なぜか今日は気になってしまった。振られたショックだろうか。
「あのー……風邪ひいちゃうぞ…?傘ぐらいさせよー…」
「………」
女の子だ。包帯や湿布、しかもフードを被っており顔が良く見えないが同い年くらいの女の子だ。
「おーい…聞こえてるかー?」
「………」
完全無視。何度も言うが、今日の俺はいつもの俺とは違かった。だから俺は気にしてしまった。あの子に似ているこの女の子を…。
「風邪引くぞ??傘貸してやるから家帰れよ」
これが俺と彼女の初めての出会いであるーー…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます