第3話

「いってて...クソッなんなんだあのガキは、」


この男、ゼクロスは、元騎士である。しかし、信頼していた部下、上司にことごとく裏切られ、山賊にまで身を落としてしまっていた、王都には妻や子供がいるが、騎士を首になり、離婚も同然と実家に帰ってしまった。そこでこの男の心は荒み、現在のような山賊に身を落としながら、職を探しているのである。


「取り敢えず、森を散策してた時に見つけたオンボロ小屋で休憩するか...夜道は危険だしな」


そんな時である。


どこからか

子供?の泣き声が聞こえる


なぜ?がついたかと言うと、それは子供の声にしてはそこそこ低い声だからだ。


しかも、その声は自分が見つけたオンボロ小屋の中からするではないか。


えっ...なんだよ、誰かいやがんのかよ。


まぁいい...ってはぁ?!?!?!


小屋の壊れた窓から様子を見ていると、


さっき自分をぶちのめした男が、女のような声を出して泣いているではないか。


これには男も仰天した。あれだけ重いパンチを出せる男がこんなに泣き乱れるとは、


正直自分の目が信じられなかった。


言い知れない恐怖を感じた男は、何も声がかけられず(というか怖すぎる)


その場を去って行った。


その後、その男はなんの偶然か、再就職の機会を得た。

その家は...アルノ家である。

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