蜩
夏の思い出に心を馳せると
決まって同じ蜩の鳴き声が木霊する
毎年違う別の鳴き声で
去年も一昨年も違う蜩の
命を振り絞り燃やし尽くさんとする
蝉の鳴き声とは違う
何処か物憂げで悲しそうな
涼やかで耳に心地よく響く
その鳴き声
毎年違う命が奏でているのに
心の中で木霊する
彼等の声は何時でも同じだ
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