丑三つ時のワルツ
狒牙
情報屋『皮算用』
あら、いらっしゃい。一見さんが来るだなんて久しぶりだぁね。それも人間さんと来たもんだ。さてさて、支度でもしようかね。一杯目は何を飲むんだい? 何、酒を飲みに来た訳じゃないって?
こんな場末の立ち飲み屋にわざわざ来て、何も飲まないたぁどういう了見なんだね。とまぁ、聞いてみたいところだけれど生憎ここがただの飲み屋と違うってな、わっちも理解しているところさね。
とするとあんたが欲しいのは、あちらの世界に関する何らかの情報、と見て間違いないかね。ん、何だい何だい、それさえ否定するのかい。だったらわざわざここに何しに来たってんだい。
情報は欲しい? どっちなんだいあんた。いい年した男がそんなうじうじした言い方するもんでないよ。聞きたい話ってのはどれだい? 最近だと
孤独な雪女にするかい? 臆病者のサトリにするかい? 九尾のせがれの弱虫坊主でもいいさね。そのどれでもないって、じゃあどいつの話が聞きたいのさ。
……ん、てこたぁ待てよ。あんたが聞きたい話ってのぁそう言う……。あぁ、なるほど。ただ情報が欲しいんじゃなくてわっちに語り部を務めさせたい、と。しょうがないねぇ。
そいじゃ、話してやるとするさね。わっちが狸だからって、決して化かされんじゃないよ。
そう、これから語らうのは【
そうさね、この物語に名前を付けるとすれば、何と付けたものかね……。ふぅむ、よし、そうだ決めた。こんなタイトルが相応しいんじゃないかい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます