第9話:冬場の長期の実演販売と外商セールス(201104-12)

 休暇中は若いセールスマン10名は海外旅行や日本の温泉、買い物を楽しんだ。

以外に、土日休みでなくても長期連続休暇を満足している様で不平不満はでない。 給料も歩合制であり真剣に皆働いてくれている。来年からは、若手セールスで、営業センスの良い、4人をデパート外商との営業を経験させて高額商品の販売網を広げて

いこうと考えていた。また販売商品がそろって加工、研磨を10日間で、終わらせ、11月からまた、今度は3週間かけて札幌、仙台、東京、横浜、新潟、金沢、大阪、神戸、広島、福岡をまわり、大型スーパーの実演販売の約束を取り付けておいた。

 合計で52か所で実演販売することにしている。あらかじめ、超高額商品と、外商セールスから依頼された商品は取り分けておくことにした。今回、若手セールスの係長として、ハンサムで個人的に入り込みの強い一本釣り得意の鮫島次郎とやはりハンサムで優しい感じで万人受けして、そつなく多くの人に売るのが得意な吉川三郎を選んで若手セールスマン10名の販売指導と管理を命じた。彼らの個性を教えてくれるようにしっかりと言っておいた。


 もちろん給料もその分、増やす約束をした。その間ラハールは実績のある外商セールスと売り損ねた外商セールスについて詳細な顧客とセールスの情報資料を作成して今後フォローしていく事にした。また若手の実演販売終了後にセールス係長の鮫島次郎と吉川三郎を資料をラハールが作成したデパート外商18人に面会して販売作戦をねったり商品を見せて回る活動に同行させる事にした。10日間にわたる実演販売を終えて帰ってくると、かなりのハードスケジュールだったようで疲れ切っていた。

 そこで帰ってきた翌日に今回の販売実績表と成功、失敗、今後の改善点を提出させ、木曜から日曜まで休暇を取ってこいと命じた。


 集計の結果、全体の60%程度が売れ、3億5千万円の売上。ただし、鮫島次郎と吉川三郎は1日の休暇後にラハールと出かけた。最初に東京で、以前、注文にいたらなかった5人の外商さんに新たに上客の好みそうな宝石を選んでもらって、次回こそ注文を取るようにハッパをかけた。翌日、横浜で3人の外商に面会して良さそうな商品選んでもらい、次回の受注をお願いした。


 名古屋で、外商の石島富士子さんに会い上客の佐藤社長が好みそうなピンクパールのはいった豪華なネックレスを渡し、また受注してもらう様に頼んだ。富士子さんが佐藤社長の支払いが多少遅れても良いですかというので3ヶ月位にならと了解した。その後、同じように5人の外商さんに、売りたい商品を選んでもらい扱ってもらって受注をお願いした。大阪、神戸も同じ様にお願いした。福岡の5人の外商さんは、受注の可能性が高そうなので買いそうな商品を預かってもらい個々の上客への受注できるように綿密に作戦を立てた。これを興味深そうに鮫島次郎と吉川三郎が見ていた。宿に帰り鮫島次郎と吉川三郎に感想や意見を聞くと鮫島がもっと強引に外商さん

に頼み込むのかなと思っていたが、意外と引くところは引くんですねと言った。


 そこで、ラハールが外商さんは優秀なセールスで、上客を何年もがっちり抑えて高額商品を売っている。だから、彼らを信用して売っていただくと言う姿勢が肝心だと説明した。外商が売りやすいようにするのが、我々の使命だ。直接、お客に売りつけるんじゃなくて、お客が、どうしたら、高額商品を買う気になるかを外商と組んで、考え、売っていくのだと言った。吉川がそれを聞いてて、確かに外商さんの受け答えは冷静だが的確でできそうなセールスが多いと言った。年間、どのくらいの金額を売っているんですかと聞いてきたので、ピンキリだが、多い人は年間10億年近い。

 少なくても月1千万以下はいない、つまり、ほぼ全員が年間億以上売って

いるというと、2人ともすげー口を揃えて驚いていた。


 しかし、上客の接待や付け届け、挨拶、誕生日、ご家族の情報など全て頭に入れて、金が入る時期が何時で、どんな接待が有効なのか、今、何を望んでいるのかを常に気にして動いているんだといった。いわばスーパーセールスマンと言うことだよ、彼らの言動、行動など、しっかり盗んで行くように、言って、メモをきちんと書き、ホテルにもどっても、そのメモをまとめておけ、それが、君たちがセールスの

世界で勝っていくためのバイブルになるんだと言った。最終日の晩、鮫島次郎と吉川三郎にメモと、それをまとめたメモ帳を提出させ、ラハールが読んでみた。まだまだ、足らない点と時間をかけて補足した。補足したことをメモにしっかり書かせた。出張には、多くの金がかかるんだ、その金を無駄にしてはいけない。


 見たり、聞いたりしたことをもらさず、自分なりに取り入れられる様にして、一流のセールスマンになっていかないと駄目だとしっかりと言い渡した。ラハールは、もう一回、鮫島次郎と吉川三郎を同行して外商セールスの仕事を見てもらい、来年からは、1人立ちしてもらうように考え、そのように彼らに話した。また、業績が伸びてきたので12月には、ボーナス1人当たり20万円を全員に出すことにした。

 これには若い社員たちが喜んで、また頑張って売ってきますと意気上がっていた。

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