マハラジャの末裔

ハリマオ65

第1話:マハラジャの末裔の子の日本生活(200801-06)

 かつてインドのマハラジャは、日本の戦国大名のように、藩を持ち、優雅な生活をしていた。インドがイギリスの植民地になったときに、一部のマハラジャが没落して、領地を没取され、インドでは、圧政を続けた結果、市民からの報復を恐れて、

国外に脱出し、ある者は米国でネットビジネスで大成功治めた人や日本に来てインド料理屋を始めた人、コンピュータ業界で成功している人も多い様だ。


 しかし、マハラジャの末裔の一人ヒテシュHiteshは横浜の郊外の駅近くで、インド料理屋を経営していた。真面目に近所の人から信頼されて、お客さんもついた繁盛店になっていた。しかし朝から晩まで毎日働いても、儲けが少なく、いつまでたっても裕福にならない。そこで、生まれてくる子には、儲けられる人になって欲しいと思いラハール(効率的な)と名付けた。その子が10歳になっても料理に興味を示さず、近くの宝飾店で、時計を見たり、金のネックレス、真珠、宝石に興味を持ち始めた。


 父が、料理を教え始めても、興味がないせいか、全然上達しないの困っていた。小学校を卒業して、中学も出て、進路を決める時が来た、ある日、僕、近くの宝石店で働くと言い出した。困った父と母が、その宝石店の店主にお願いしてみると店番と、

買い物や雑用、下働きで良いなら住み込みで修行するなら倉庫の片隅を使って良い。ただ、休みは、滅多にない、暇な時間に、少し出かけるのはOK、食事は、お父さんの料理屋で食べる条件で働いても良いと言った。


 給料は、利益が増えたら、増えた分の10%出すと言った。増えなかった0,マイナスが続くとやめてもらうという条件で働くことになった。働き始めると、俄然はりきって、朝早く起きて店の前を掃除したり、行きゆく人に挨拶したり、時計、ブランドバッグ、宝石、ネックレス、パール、金の良い製品がありますので、お客さんに

損はさせないよと、可愛い笑顔を振りまいていた。そのうち、行き交う人に可愛がられるようになり、特に中高年の女性人気が出てきて、入店するお客が増えてきた。


 インド人の可愛い男の子という事もあり、珍しがられて、お客さんが増えてきたの。3ヶ月が過ぎた頃から、売上が伸び始めた。店主は喜んで、約束通り、利益が増加した分の10%きっちり払ってくれ、半年たつ頃には、2-3万円と給料も増えてきた。もちろん出入り業者にも人気があり、良く頭をなでられた。しかし1年が過ぎる頃から給料が出なくなった。理由は簡単、1年前に比べて利益が大幅に増えたが、前月との比較では10%以上、増える月が少なくなってきたためだった。前月比、利益10%以上増えないと給料がもらえない仕掛けなのだ。なんてずるがしこい店主だろうとラハールが店主に給料を要求しても増えてないから出せないと言い腹を立てるようになった。

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