patron

茲憂

手を貸してよ、殺人鬼?

頭が焼けるように痛い。痛い、痛い、いたい、イタイ。

これは忌々しい呪いだ。誰かが何処かで名付けた名前。思想するように頭の中が徐々に文字で埋まっていく…思想病死の病

ただ、それだけ。考える度に頭も心も文字で埋まっていく感触がある。

こんな日常に嫌気がさして自害してしまおうかと思った。


だが、出来なかった。


生かされたのだ。自分の誕生日に、親共々八つ裂きにされた挙句に。見知らぬ殺人鬼は笑っていた。



これはそれから二年後の物語。


『何で、僕なんかを生かした?全部、全部あの時みたいに壊してしまえば良かったのに。』

そう不満げに言いながら飴を頬張る。

『…君は仲間だろう?さぁ、行こうか僕らの希望』

殺人鬼は笑って手を引いた。





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patron 茲憂 @YUUGIRIYOGI

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