3、合理性
そう、綺麗な人。
—届かない。
天使のような顔で、私に声をかけてくれた。
—この声は届かない。
でもあの人は、色々な噂がある。
—どうせ届かない。
二つ上の先輩と、大学生と、同級生と。
—きっと、届かない。
屋上へ続く階段の隅で、啜り泣くあの人。
—そう思うと声を、かけられなかった。
本当はただの噂かもしれないけれど。
—天使の顔をした悪魔かもしれないじゃないか。
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