2、逃避


オレンジ色の教室。



忘れ物を取りに行って、偶然見てしまった。



ずっとずっと一緒だと思っていた幼馴染と、大人の影。



重なる身体。



聞いたことのないあの子の声。



堪らずその場を離れた。





群青色の部室。



「……あれ、まだ残ってたの?」



いつものこの子の声。



「…えぇ、もう少し。もう、少しだけ…」



握りしめたクレパスを、強く、強く、キャンバスに擦り付けた。





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