第12話
とにかくとしやが明日と言うのなら、明日にするほうがいいのだろう。
俺はそう思うことにした。
次の日の朝、としやが放課後と言うので、俺は放課後を待った。
その日の授業はほとんど頭に入らなかった。
ぼおっとしている生徒を見つけるのが得意な先生に、いきなり名指しされてしまった。
今までそいつに怒られたことはなかったのに。
放課後になり、さっそくとしやの元に向かった。
「今から調べるん?」
「まあ慌てんといて。とりあえずうちに来て。話はそれからやな」
「としやんとこ、行くん?」
「さっき言うたやろ」
俺は家によって、母にとしやのところに行くと言ってから出かけた。
としやの名前を出すと、母は文句を言ったことがなかった。
昔からよく知っているし、なにより賢くてしっかり者だと母に思われていたからだ。
賢くてしっかり者と言う点においては、俺も否定は出来ないが。
家に着き、としやの部屋に入るととしやが何かを差し出した。
「なんこれ?」
「読んだらわかる。読んでわからんことあったら、聞いたらええが」
それはプリントアウトされた新聞記事だった。
日付は昭和三十四年。
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