第2話
私は第一子として生まれた。
初めて自我に目覚めたと記憶しているのは私が生まれて
二年後に生まれた妹についてからだ。
母が妹を妊娠中に風邪をこじらせて入院して
初めて母がいない家で祖母と寝たのを今でも覚えている。
二歳だった私は母がいないのが寂しくて泣きわめいていた。
母っ子だったからである。
母はそれから入退院を繰り返した後、
早産で生まれた妹は心臓が動かないまま生まれてきた。
医師の賢明な治療の末、息を吹き返した。
その後も予断を許さない妹の体調に母、父、祖母は
私を厄介者と見ていることに二歳ながら気づいていた。
それから妹中心の生活を送る。
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